医学教育FD

信州大学医学部医学科では、はじめて医学教育を担当する教員またはこれまでFDに参加したことのない教員を対象に、ワークショップ形式のFD研修会を開催しています。この研修では、授業におけるカリキュラムの意味や構成要素等について理解し、ワークショップ、グループ作業を実際に学ぶことで、学生の評価や試験問題の作成方法を修得することを目的として、毎年秋に行われています。また、参加者同士の交流を図るために、服装は自由で、リラックススタイル(ノーネクタイ)での参加となります。

研修会の目的

一般目標

信州大学医学部において社会から必要とされる良医を育成するために、医学部の卒前医学教育担当者として必要な基本的なカリキュラム立案能力を修得する。

行動目標

  1. カリキュラムの3要素(目標・方略・評価)を説明する。
  2. 学習のプロセスを図示し説明する。
  3. 学習目標を分類する。
  4. ユニットごとの学習目標を立案する。
  5. 効果的な学習方略を列挙する。
  6. 学習評価の目的・学習目標に合致した評価方法を述べる。
  7. ユニット内容に合致した客観試験問題を試作する。
  8. 本学の卒前医学教育の問題点を掲げ対応策を列挙する。

具体的には、参加者を6~8名ほどのA~Dの4グループに分け、各グループごとに設定されたユニット講義に対し、目標・方略・評価を設定することで、最終的には実際の教育場面においても使えるようなカリキュラムを立案する。

研修会の特徴

1. ワークショップ形式

ワークショップとは、一方的な知識伝達のスタイルではなく、参加者が自ら参加・体験して共同で何かを学び合ったり創り出したりする学びと創造のスタイル。自ら参加していく主体性を持って、頭だけではなく身体と心をまるごと総動員し、参加者のお互いの相互作用や多様性の中で分かち合い刺激し合い学んでいく双方向性の学習である。
ワークショップでは、あらかじめ目標が定められており、その達成のために、参加者全員が効果的な討論や作業を行い、一定の時間内に成果を生み出すという手順を取る。この方法によって、個人レベルで問題解決を行うのとは比較にならないほど有効な成果を得ることができる。

2. スモールグループ討議(Small Group Discussion:SGD)

ワークショップとは、一方的な知識伝達のスタイルではなく、参加者が自ら参加・体験して共同で何かを学び合ったり創り出したりする学びと創造のスタイル。自ら参加していく主体性を持って、頭だけではなく身体と心をまるごと総動員し、参加者のお互いの相互作用や多様性の中で分かち合い刺激し合い学んでいく双方向性の学習である。
ワークショップでは、あらかじめ目標が定められており、その達成のために、参加者全員が効果的な討論や作業を行い、一定の時間内に成果を生み出すという手順を取る。この方法によって、個人レベルで問題解決を行うのとは比較にならないほど有効な成果を得ることができる。

3. KJ法(文殊カード法)

KJ法とは、文化人類学者・川喜田二郎氏の考案による「小集団で思考をまとめる」方法。6~8名程度のグループに分かれ、3連の文殊カード(ミシン目で切り離し可能)に、各自が設定されたテーマについて思いついたことを、ほかのメンバーのものも参考にしつつ簡素に記入していき、ある程度問題が出揃うまで何度か繰り返すことで、雑多なデータやアイディアが統合され、新たな発想が生み出される。今回のワークショップでは、「信州大学医学部における卒前医学教育の問題点」をテーマに、自由な発想の下で、日頃問題として感じていることを抽出し、問題の解決の糸口を探った。