臨床実習ガイド

実習中の先輩から

実際に臨床実習を受けている5年生に、座学との違いや楽しみ、体験として得ているものを聞かせてもらいました。

左からT.Tさん、多田剛センター長、M.Kさん

左からT.Tさん、多田剛センター長、M.Kさん

先輩の声 M.Kさん

医学部医学科5年のM.Kと申します。私たちは今、病院での実習という形で実際の臨床の場で勉強をしております。日々新しい発見があり自分の勉強不足を痛感する日々ですが、将来のことも考えながら非常に充実した毎日を送っています。
医学部に入学するとまず教養と基礎医学を学びます。基礎医学とは解剖学や薬学、生化学などといった、医療の基礎となる学問です。その後、実際の患者さんをどのように診療するのかという臨床医学を勉強します。勉強する量は非常に膨大ですが、ただ机に向かう勉強だけでなく、解剖や実験などの実際に手を動かして勉強することもありますし、何より一緒に勉強していく仲間ができます。このように約3年半にわたる座学でしっかり知識をつけてから、実際の臨床の場で勉強させていただきます。病院での実習は患者さん1人を担当させていただくため、どのように医療面接をしていくのか、どのように診断に至るのか、どのように治療していくのかなどの一連の流れがしっかり掴むことができます。4年生での病院実習ではすべての診療科で学ぶために少し期間が短いのですが、5年生と6年生では自分の興味がある診療科を選択してより長い期間の1か月単位で勉強することができます。現場で"今"行われている診療を実際に自分の目で見ながら勉強できることが1番の魅力だと思います。
私個人の話ですが、私は「電池が切れるまで」という長野県の小児診療に関する本に出会い、信州大学医学部を選択しました。入学するまではずっと小児科になりたいと思っていました。しかし、座学での勉強を通して子どもの診療の難しさや厳しさを知り、小児科を志望することをやめてしまいました。その後、他の診療科を考えながら病院での実習に臨みましたが、実際に小児科で実習し、患者さんたちと触れ合うことで、もう一度小児科を志したいと思うような出会いに恵まれました。これが私の実習を通しての一番大きな収穫だったと思います。

先輩の1週間 T.Tさん

時間帯
早朝
(7:30-)
入院担当患者の診察・診療録記載カンファレンス総回診入院担当患者の診察・診療録記載チーム回診8:30-17:30
病棟看護師のアルバイト
休み
午前外来実習救急外来実習外来実習外来実習外来実習
昼食昼食昼食昼食昼食
午後検査見学・担当患者の診療に
関わる自習
検査見学・担当患者の診療に
関わる自習
検査見学・担当患者の診療に
関わる自習
検査見学・担当患者の診療に
関わる自習
検査見学・担当患者の診療に
関わる自習
夕方
(16:30-)
担当患者の診察・指導医との振り返り担当患者の診察・指導医との振り返り担当患者の診察・指導医との振り返り担当患者の診察・指導医との振り返り担当患者の診察・指導医との振り返り
レポート作成・
同期と夕食
レポート作成研修医向けの
勉強会に参加
近隣の食堂・
温泉を楽しむ
実習先から帰宅実習先に移動
  • 担当患者の診察を行い、診療録を書きます。診察した結果を指導医に報告し、検査、治療内容について指導医から口頭試問を受け学びます。
  • カンファレンスや回診では、担当患者の診察を指導医の前で行います。また患者の状態、治療について簡潔に報告(プレゼン)します。プレゼンの仕方について指導医から教わります。
  • 外来実習では、外来患者を診察し、診療録に記録します。指導医に報告し、指導医と一緒に診察し、自分の診察や診療録について指導を受けます。
  • 4週目は実習を振り返りつつ、1週目で立てた目標をどの程度達成できたか、指導医と確認します。
  • 4週目最終日には大学にて他の病院で実習してきた同期と一緒に、担当教員に対して発表します。
  • 大学でのまとめが終わったら、1年生の時から一緒に勉強している仲間と、各々が実習先で学んだことを共有する勉強会を自主的に行っています。
  • 日々の実習後は同じ病院の他診療科で実習している同期や、初期研修医と食事に行くこともあります。近隣の美味しいお店で指導医のご馳走になることもあります。
  • 時間がある時は近隣の温泉に行くのも大学病院外での実習の楽しみの一つです。実習先の街を歩き、その土地の様子を肌で感じるのも大切だと考えています。
  • 週末は1日アルバイトをしています。私は入学前に看護師の勤務経験があり、医学生となってからも週末に勤務し、看護師としての視点を意識し、学生ではなく職員としての立場、態度を培う機会としています。