奥村 伸生

奥村 伸生
教員氏名 奥村 伸生
職名 教授
所属 検査技術科学専攻
経歴 信州大学医療技術短期大学部卒
東京理科大学理学部化学科卒
学位:博士(医学)
信大病院臨床検査部臨床検査技師
信州大学医療技術短期大学部准教授
2002年現職

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先天性フィブリノゲン欠損症・異常症の原因は遺伝子の異常である

けがをして出血した時に、健康な人ではしばらく強く押さえていればやがて止まります。このような過程を血液凝固反応といい、この時働く糊の役目をするタンパク質をフィブリノゲン(Fbg)といいます。このFbgは普段は血液に溶けている(液体)のですが、出血を止める時にフィブリン(糊・ゲル;固体)に変わる不思議で魅力的なタンパク質です。このタンパク質が肝臓で遺伝的にうまく作られない低下症・欠損症、タンパク質は作られているのにうまく糊になることができない機能異常症という病態があります。私の研究はこれら原因を遺伝子検査によって分析し、さらにはその遺伝子変化によってFbgが作られないメカニズムと、作られたFbgの機能異常の程度を詳細に解析しています。
遺伝子解析図.JPG
DNA配列の決定(サンガーシーケンス法)
フィブリノゲンBβ鎖遺伝子解析図
上図:健常人、下図:患者
研究から広がる未来
Fbgの遺伝的異常症の患者さんでは、出血・血栓症・不妊症・肝硬変・腎アミロイドーシスなどの病気が生じます。Fbgは1482個のアミノ酸からなる単量体がさらに二量体となった繊維状タンパク質です。そのうちのどのアミノ酸がどのアミノ酸に変化すると、どのような病気になるかということが、明らかになってきています。研究がさらに進むと、患者さんが病気になる前に予測ができ、将来は予防ができることを期待して研究しています。
卒業後の未来像
病院検査部で血液検査をした時、市販試薬・装置では正しい値が得られない患者さんや、遺伝的原因により極端な異常値が出る患者さんに遭遇します。その原因を追究し、正しい値を得られるようにすることは、安心・安全な医療の実践に貢献することになります。
産生ペプチド.JPG
ヒトフィブリノゲン産生CHO細胞での産生ペプチド(左:非還元条件下、右:還元条件下)