小峰秀彦 

産業技術総合研究所 人間福祉医工学研究部門 研究員

 

2000 年、札幌医科大学大学院医学研究科修士課程修了。2003年、広島大学大学院医学研究科博士課程修了。2004年より現職。現在の研究テーマは、加齢と運動の循環調節への影響。

 

セントラルコマンドと動脈血圧反射の干渉

動脈血圧反射は動脈血圧を一定範囲内に保つための神経性調節機構である.運動時には活動筋への血流量を増やすために,動脈血圧が上昇しても心拍出量が増加するように動脈血圧反射特性を変化させる必要がある.このような血圧反射の適応は運動開始時から必要であると思われるため,見込み制御的な調節(セントラルコマンド)が働き動脈血圧反射の特性を変化させるという仮説を考えた.今回,意識動物および除脳動物を用いた我々の研究から,運動開始時の動脈血圧反射とセントラルコマンドの干渉について議論したい.