Ronald Terjung, Ph.D., Dr.h.c.

ミズーリ大学、生理学、医科学、教授

 

1970年、アイオワ大学でPh.D. 取得。1972年まで、ワシントン大学医学部で博士研究員、1984年まで、イリノイ大学助教授、1997年まで、ニューヨーク州立大学教授、以後、現職

 

Exer. Sport Sci. Rev. 編集長,  J. Appl. Physiol., 副編集長.

 

体力と循環適応:生理と病態

 

運動トレーニングに伴う循環適応の一部に、筋組織の毛細血管密度の増加、活動筋への血流供給能の増加があげられる。筋組織における酸素拡散面積の増加、供給量の増加は、健康維持、あるいは、病態の改善する上で重要である。このような、筋組織の再構築には、機械、虚血、代謝信号が血管に働いて行われる。さらに、血管内皮細胞依存性信号、細胞の活性化、増殖、異動、定着は、細胞外マトリックスの再構築と同期して行われ、これらの一連の変化は、各種サイトカイン、酵素、抑制因子、成長因子によって調節されなければならない。これらは、「運動トレーニング」によってうまく調整され、運動効率を改善するように組織の再構築が行われる。一方、筋組織の酸素利用が障害されている患者では、運動トレーニングは、それらを改善するよい手段となる。