増木静江
博士研究員
メーヨクリニック麻酔科
2003 年3月、信州大学大学院卒。在学中は同大学院、能勢 博教授の指導を受ける。学位論文では、「自由行動下のカルポニン遺伝子欠損マウスでは血圧反射ゲインの亢進すること」を明かにした。 2001年の国際スポーツ医科学ネットワークフォーラムin 長野で、メーヨクリニックのJoyner 教授に出会い、彼の講演に感銘をうけ、2003年9月より同教授のもとへ留学中で、ヒトを対象に研究をおこなっている。現在、αアドレナリン受容体と運動時の圧反射性筋血流調節の関連について、興味を持っている。
αアドレナリン性血管収縮能の減弱は血圧反射による心拍数応答を亢進する。
αアドレナリン性血管収縮が半減、または、ほぼ消滅しているマウスでは、その減弱の程度に比例して圧反射ゲインが上昇し、一定の血圧変化に対する心拍数の応答が著しく増加することを我々は発見した。 この結果は、「まず、何らかの原因でa-アドレナリン性血管収縮に変化が起きると、それを補償するために圧反射ゲインが変化する」という新しいフィードバック機構の存在を強く示唆する。 この機構について動物実験とヒトにおける実験の両方向から検証する。