桧垣靖樹

佐賀大学医学部社会医学講座予防医学分野・講師

 

運動生理学者。群馬大学、筑波大学大学院を卒業後、1990年より福岡大学運動生理学教室の研究員となり、1993年より現職。現在は、骨格筋のグルコース輸送調節と生活習慣病予防と健康増進における運動処方の役割を研究テーマとしている。さらに、運動処方の効果について、遺伝的背景についても興味を持っている。

 

酸化ストレスによる骨格筋糖取り込み亢進機序について

 

骨格筋は、運動中及び運動後しばらくの間、酸化ストレスにさらされる。骨格筋内のミトコンドリア電子伝達系では、運動による酸素消費の増加に伴い活性酸素の生成が高まる。また、高強度の運動に伴うATP分解の亢進は、ヒポキサンチン生成を増大させ、キサンチンオキシダーゼ(XO)系を介して、活性酸素を発生する。本フォーラムでは、酸化ストレスによる筋糖取り込み亢進機序について、単離筋を用いた実験結果を中心に概説する。