Bente Klarlund Pedersen
コペンハーゲン大学医学部・教授
特に感染病学の研究リーダーとして、20名以上の大学院生、ポスドク、テクニシャンの指導にあたっている。詳細は、www.bkpgroup.dk を参照のこと。
運動、代謝、サイトカイン
前世紀、研究者らは筋収縮よって誘導される因子を探索していた。それらは他の臓器、例えば肝臓や脂肪組織に働き、運動による効果を媒介するもので、「運動刺激」または「運動因子」と呼ばれるものである。 我々はこれらの因子の一つとして、インターロイキン6を見つけた。これは運動中に収縮筋で産生され血液中の放出される。我々は、このインターロイキン6の多くの生物学的な役割報告してきた。例えば、1)代謝に関係する遺伝子の活性、不活性化、2)脂肪分解の開始、3)インシュリン抵抗性の抑制、4)TNF産生の抑制、である。このインターロイキン6遺伝子は運動開始後早い時期に活性化され、さらに、筋細胞内のグリコーゲン量が低下することで、より一層活性化される。さらに、運動中の炭水化物の補給は、収縮筋のインターロイキン6の分泌を抑制する。このように、インターロイキン6は、従来からいわれている「運動因子」に相応しい特徴を備えている。さらに、このような役割をもつサイトカインは、マイオカインと呼び、他のサイトカインと区別すべきと考える。