センター長ごあいさつ

これまで信州大学では、医学部には学生教育を担当する医学教育センターが設置され、また医学部附属病院には初期研修医の教育を担当する卒後研修センターが設置されていました。さらに、地域医療推進学講座が県内枠の推薦入学生および長野県医学生修学資金貸与者の医師養成に関わる業務を担当してきました。
本学を取り巻く近頃の医師養成の情勢を考えると、医学部と附属病院にこれらの小さな部門が分かれたまま存続していては、本学が時代の流れに対応できなくなってしまうことが懸念されていました。
たとえば、これまで卒後研修センターが行ってきた初期臨床研修医の教育業務は大学病院内での調整だけにとどまらず、本学と協力関係にある病院の医師養成に関する要望にも応えなければなりませんし、さらに医学教育センターが行っている本学独自の学生一人ひとりを異なる診療チームに配属させる臨床実習のプログラムと密接につながってもおり、これらの関連病院の多くは県内にあることから、地域医療推進学講座の業務にも大きく関係しています。
また、今年になって新専門医制度の輪郭が明らかになり、専門医の養成においても一診療科毎、一病院毎では対応できない課題が山積しております。さらに、大学や大学病院間の国際交流はますます盛んになっていて、学生や医師の交流を促す業務もかなり増えてきていて、これにも対応していかなければなりません。
以上、現在起こっている諸課題に迅速に対応するために、本学では平成27年11月から、この三者を合併させて、「医学教育研修センター」として新たな運営を始めました。
新しい「医学教育研修センター」は、平成28年11月から医学部基礎棟の1階に設けられ、教員は医学部所属2名、附属病院所属3名、地域医療推進学講座2名の計7人体制となりました。異なった業務を担当してきた教員が集まったことで、早くも相乗効果が現れ、各部門の活動も従前よりも活発になり、平成29年4月からは医学教育学に修士学生を1名迎えることになりました。
今後、医学教育研修センター教員がさらに力を合わせて、本学における卒前卒後に渡る医師養成に取り組んで参る所存です。どうぞよろしくお願いします。


医学教育研修センター長  多田 剛