信州大学医学部歯科口腔外科レジデント勉強会

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Department of Dentistry and Oral Surgery, Shinshu University School of Medicine


画像診断症例検討4 〜顎下腺〜

                1999.5.26 張

(1) 顎下腺について

大きさー上下径約35mm、前後径約37mm、厚さ約14mmの扁平楕円形
顎二腹筋、中間腱、下顎底に囲まれた顎下三角内に存在する。
外面上半分ム下顎骨内面の顎下腺 に接する。
下半分  -広頚筋直下
前端   -下顎骨のほぼ中央   上端  -顎舌骨筋線後縁に接する
後端   -下顎角の少し前    下端  -舌骨大角下方
顎下腺管(ワルトン管)腺の後方からでて、顎舌骨筋の後縁からでて、前内側方向に向かう。起始部で舌神経と交差してその内面を通り舌下腺内面を通って、口腔内の舌下小丘に開口する。

(2) 画像検査

@単純X 線検査-唾石-

パノラマー開口部、移行部の小さいものは顎骨と重なる。
咬合法-唾石検出能が高い。

A唾液腺造影撮影法

唾液腺の炎症変化や、閉塞の状態を示すのに適している。
腫瘤性病変は造影剤が入らないので無影になる。
急性症状があるときは禁忌。

B超音波画像

腫瘤性病変、唾石検出能は極めて高い。

C唾液腺シンチグラムム

99MTcO4-を静注する。唾液腺分泌機能の検査法

DCT

隣接領域の関係、唾液腺自体の大きさ、腫瘍性病変の有無

ECT-Sialography

造影剤を注入してCT撮影を行う。腫瘤の腺体内での局在性を診断する。特に顎下腺では腫瘤と正常組織のCT値が低いため、この方法を用いる。

FMRI

軟組織のコントラスト分解能に優れる。腫瘍で正常組織との差がみられ、局在診断が可能である。T2強調画像では、主導管に貯留した唾液が高信号域として、認識され導管の拡張の有無をみることもある。

 

顎下腺のCT値は筋肉より低く、リンパ節と同等。

顎下間隙

  主に顎下腺、 顎下、オトガイ下リンパ節、 

  顎二腹筋前腹、顔面動静脈、舌下神経、脂肪

画像診断の問題点

@病変の中心部が顎下腺間隙内にあり顎舌骨筋の下外側にある時は、病変由来は顎下間隙にある。

A顎下間隙の腫瘍は舌下間隙には進展しない。

 

 参考文献

  頭頚部画像診断     医学書院

  歯科画像診断の最前線  医歯薬出版

  CT正常画像アトラス     ベクトル・コア

 

 

 

<参考文献>

新編頭頚部の画像診断     秀潤社

画像診断のための解剖学図譜1 メジカルビュー社

歯科画像診断の最前線     医歯薬出版

口腔の解剖          南山堂 


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