信州大学医学部歯科口腔外科レジデント勉強会
Copyright
Department of Dentistry and Oral Surgery, Shinshu University School
of Medicine
画像診断症例検討4 〜顎下腺〜
(1) 顎下腺について
大きさー上下径約35mm、前後径約37mm、厚さ約14mmの扁平楕円形
顎二腹筋、中間腱、下顎底に囲まれた顎下三角内に存在する。
外面上半分ム下顎骨内面の顎下腺 に接する。
下半分 -広頚筋直下
前端 -下顎骨のほぼ中央 上端 -顎舌骨筋線後縁に接する
後端 -下顎角の少し前 下端 -舌骨大角下方
顎下腺管(ワルトン管)腺の後方からでて、顎舌骨筋の後縁からでて、前内側方向に向かう。起始部で舌神経と交差してその内面を通り舌下腺内面を通って、口腔内の舌下小丘に開口する。
(2) 画像検査
@単純X 線検査-唾石-
パノラマー開口部、移行部の小さいものは顎骨と重なる。
咬合法-唾石検出能が高い。
A唾液腺造影撮影法
唾液腺の炎症変化や、閉塞の状態を示すのに適している。
腫瘤性病変は造影剤が入らないので無影になる。
急性症状があるときは禁忌。
B超音波画像
腫瘤性病変、唾石検出能は極めて高い。
C唾液腺シンチグラムム
99MTcO4-を静注する。唾液腺分泌機能の検査法
DCT
隣接領域の関係、唾液腺自体の大きさ、腫瘍性病変の有無
ECT-Sialography
造影剤を注入してCT撮影を行う。腫瘤の腺体内での局在性を診断する。特に顎下腺では腫瘤と正常組織のCT値が低いため、この方法を用いる。
FMRI
軟組織のコントラスト分解能に優れる。腫瘍で正常組織との差がみられ、局在診断が可能である。T2強調画像では、主導管に貯留した唾液が高信号域として、認識され導管の拡張の有無をみることもある。
顎下腺のCT値は筋肉より低く、リンパ節と同等。
顎下間隙
主に顎下腺、 顎下、オトガイ下リンパ節、
顎二腹筋前腹、顔面動静脈、舌下神経、脂肪
画像診断の問題点
@病変の中心部が顎下腺間隙内にあり顎舌骨筋の下外側にある時は、病変由来は顎下間隙にある。
A顎下間隙の腫瘍は舌下間隙には進展しない。
参考文献
頭頚部画像診断 医学書院
歯科画像診断の最前線 医歯薬出版
CT正常画像アトラス ベクトル・コア
<参考文献>
新編頭頚部の画像診断 秀潤社
画像診断のための解剖学図譜1 メジカルビュー社
歯科画像診断の最前線 医歯薬出版
口腔の解剖 南山堂
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Department of Dentistry and Oral Surgery, Shinshu University School of Medicine