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信州大学医学部歯科口腔外科

学会報告

第8回日本有病者歯科医療学会総会

各種疾患を有する患者(Compromised host)の歯科治療に関する意識調査−医師に対するアンケート調査−
 ○栗田 浩、馬場浩雄、今井恭一郎、茅野めぐみ、田中廣一、倉科憲治

 今回われわれは、各種疾患を有する患者の歯科治療(例として抜歯)を行う上での種々の問題点について具体例をあげ、長野県中信地区24医療施設に勤務する内科、外科医(脳神経外科を含む)186名を対象に、封書によるアンケート調査を行った。アンケート回収率は46.8%(87名)であり、以下にアンケートの集計結果を示す。

1、 歯科治療後に体調不良、持病の悪化などをきたした患者の診療経験;29.9%が経験ありと解答した。
2、 ワーファリン服用患者の抜歯:67.8%が服用中断が望ましいと解答した。
3、 抗血小板薬服用患者の抜歯;67.8%が服用中断が望ましいと解答した。
4、 心疾患患者の抜歯時の入院管理;62.1%がNYHAの分類。度以上で入院が必要と解答した。
5、 心筋梗塞後の抜歯の時期;44.8%が梗塞6ヶ月以降、31.3%が3ヶ月以降と解答した。
6、 高血圧症患者の歯科治療時の血圧値の目安;64.4%が160/95mmHgをひとつの目安にするのが望ましいと解答した。
7、 高血圧症患者でのエピネフリン添加局麻薬の使用;65.5%が0.00125%エピネフリン含有局麻薬4mlまで使用可能と解答した。
8、 糖尿病患者の血糖値の目安;54.0%がHbA1c6以上でも抜歯可能と、また、36.8%がHbA1c<6が抜歯のひとつの目安に適当と解答した。
9、 消化管潰瘍薬内服中の患者に対するNSAIDsの投与について;81.6%が頓用で投与が可能と解答した。
10、観血処置時の骨髄機能について;63.2%が好中球1000/μl以上を目安に抜歯が可能と解答した。 

 

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Department of Dentistry and Oral Sirgery, Shinshu Univbersity School of Medicine