開業歯科医師に対する各種疾患を有する患者の歯科治療に関するアンケート調査結果 5,ストレスの緩和対策および往診歯科治療について
○畔上千香、栗田浩、松澤智由貴、茅野めぐみ、田中廣一、倉科憲治
我々は、各種疾患を有する患者さんの歯科治療に関して、その実態および歯科医師の意識を探る目的で、郵送によるアンケート調査を実施した。本報告では、アンケート調査内容のうち、ストレスの緩和対策および往診歯科治療に関する調査結果について報告した。
対象は、長野県中信地区の開業歯科医師247名であり、封書によるアンケートで、全て無記名解答とした。回収率は42.5%で105名より解答が得られた。回答者の内訳は、男性91名、女性9名、記載なし5名で、歯科医師経験年数は、最短5年から最長54年で、中央値が18年であった。結果は以下のとうりであった。
鎮静法の使用経験があると答えた歯科医師は55%で、笑気吸入鎮静法が最も多く利用されていた。局所麻酔時の痛みの緩和に関しては、特に行っていない歯科医師は2%と低く、行われている方法としては、表面麻酔、注入に時間をかける、麻酔薬を暖めるなどの対策が行われていた。治療中のストレスの緩和策としては、音楽を流すが82%、緑の配置が71%と多く、その他、絵を飾る、壁の模様を工夫している、隔壁を設けるなどが行われていた。
往診歯科治療は、歯科医師の96%が経験ありという回答を得た。治療内容については、約1/3の歯科医師が観血的処置まで行うという回答が得られた。往診歯科治療患者の抜歯に関しては、約半数の歯科医師が病院で行うのが望ましいという回答を得た。
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