睡眠時無呼吸症候群患者に対するスプリント療法によるAHIの変化と自覚症状の改善との関連性
○中塚厚史,宮澤英樹,楠
公孝,小林啓一,栗田 浩,倉科憲治
われわれは2000年4月より当院第1内科と連携して睡眠時無呼吸症候群の患者の治療を開始しており、下顎を前方に誘導する歯科装具(Sleep
Splint;以下SS)を使用し良好な成績を得てきている。今回、我々はSS装着前後に終夜睡眠ポリソムノグラフィー(以下PSG)を実施し無呼吸・低換気指数(以下AHI)を測定し、その改善と当科で実施している睡眠調査票の結果に関連性が得られるか否かを検討したので報告する。
【対象】2000年4月から2001年12月までの間に閉塞型睡眠時無呼吸症候群の診断にて当院第1内科より紹介され、当科を受診した無呼吸指数(以下AI)40以上の重症例15例、AIが20以上40未満の中等度症例9例の計24例(平均年齢56.4歳:28〜72歳、男性23名、女性1名、BMI平均25.6L/m2)。
【方法】自覚症状の改善については、SS装着前後の睡眠調査票により、10項目を1〜4段階で評価しその合計点より改善率を求めた。またSS装着前後のPSGの結果よりAHIの改善率を求め、自覚症状の改善を求め、自覚症状の改善率との関連を検討した。
【結果】AHIの改善率と自覚症状の改善率との関連性は認められず、自覚症状が改善してもAHIがSS装着後に高くなった症例も認めた。
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