耳下腺嚢胞の切除後に発生したSalivary duct
carcinomaの一例
○畔上千香、栗田浩、小林啓一、松澤智由貴、田中廣一、倉科憲治
今回われわれは、耳下腺部嚢胞を切除し5年後、同部にsalivary
duct carcinom duct
carcinomaを認めた症例を経験したので、若干の考察を加えて報告する。
【患者】66歳・男性
【主訴】右耳下腺部の腫脹
【現病歴】平成4年2月頃より右耳下腺部に小腫瘤ができているのに気づくも放置。次第に増大を認めたため平成6年1月21日当科初診。右耳下腺腫瘍の臨床診断断の下、同年2月24日右耳下腺腫瘍摘出術施行、病理結果は耳下腺嚢胞であった。その後経過良好であったが、平成10年7月頃より顎下部に無痛性の腫脹を自覚するも1週間で消失。平成11年1月下旬頃より再度同症状自覚し、症状に変化ないため1月27日当科再受診とななななった。
【初診時】右耳下腺部から顎下部にかけて、30×35mm大の境界明瞭な楕円形、弾性硬の腫瘤を認めた。
【臨床診断】右耳下腺腫瘍
【処置及び経過】術前に穿刺吸引細胞診を施行したところ、腺癌が最も疑われた。平成11年4月30日耳下腺腫瘍摘出術、頚部郭清術施行行ss。最終病理組織学的診断にてsalivary
duct
carcinomaと診断された。術後外来にて経過観察行ってきたが、平成12年1月急性循環器不全にて死亡。
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