教室の研究状況
信州大学医学部歯科口腔外科

学会報告

第43回日本口腔科学会中部地方会

開業歯科医におけるインターネットの利用状況に関するアンケート調査

 ○酒井洋徳、栗田浩、畔上千香、田中廣一、倉科憲治

 今回、開業歯科医師の情報機器の利用状況について調査したので報告しました。
 その結果、インターネットHHの利用は30代、40代の開業歯科医師で約半数に見られ、年代が高くなるにつれ利用率は減少しておりました。インターネットの利用内容は電子メール、ホームページの閲覧が主体でありました。
 デジタルカメラの利用は30代で7割、40代50代で約2割に見られました。ホームページの公開は2名の歯科医師が行っていました。今回の結果より、現時点で病診連携にインターネットおよびデジタルカメラなどのインフォメーションテクノロジーを使用していくのは、普及の点、利用者数の点から困難だと考えられます。しかし、利用者の大半は40代以下の歯科医師であるこことを考えると、今後の病診連携にインフォメーションテクノロジーが導入されていく事に大いに期待できると考えられました。

耳下腺嚢胞の切除後に発生したSalivary duct carcinomaの一例

 ○畔上千香、栗田浩、小林啓一、松澤智由貴、田中廣一、倉科憲治  

 今回われわれは、耳下腺部嚢胞を切除し5年後、同部にsalivary duct carcinom duct carcinomaを認めた症例を経験したので、若干の考察を加えて報告する。
【患者】66歳・男性 
【主訴】右耳下腺部の腫脹 
【現病歴】平成4年2月頃より右耳下腺部に小腫瘤ができているのに気づくも放置。次第に増大を認めたため平成6年1月21日当科初診。右耳下腺腫瘍の臨床診断断の下、同年2月24日右耳下腺腫瘍摘出術施行、病理結果は耳下腺嚢胞であった。その後経過良好であったが、平成10年7月頃より顎下部に無痛性の腫脹を自覚するも1週間で消失。平成11年1月下旬頃より再度同症状自覚し、症状に変化ないため1月27日当科再受診とななななった。
【初診時】右耳下腺部から顎下部にかけて、30×35mm大の境界明瞭な楕円形、弾性硬の腫瘤を認めた。
【臨床診断】右耳下腺腫瘍
【処置及び経過】術前に穿刺吸引細胞診を施行したところ、腺癌が最も疑われた。平成11年4月30日耳下腺腫瘍摘出術、頚部郭清術施行行ss。最終病理組織学的診断にてsalivary duct carcinomaと診断された。術後外来にて経過観察行ってきたが、平成12年1月急性循環器不全にて死亡。

当科における顎関節患者の臨床統計的検討

 長野市民病院歯科口腔外科 *信州大学医学部附属病院歯科口腔外科
 ○清水俊英、*栗田 浩、田村 稔、*倉科憲治 

 1995年6月長野市民病院の開院に会わせ歯科口腔外科が開設された。当科開設以来、週1回の顎関節専門外来を設け、顎関節症の診療を行ってきた。今回我々は、開院した1995年6月から2000年3月までの4年10ヶ月間における当科受診した顎関節患者について臨床統計的に検討したので報告する。
 期間内に当科受診し顎関節症と診断された患者は468名で性別は男性145名、女性323名であった。年齢は10歳〜93歳にもわたり平均は34.4歳であった。日本顎関節学会の症型分類では、沍^が55名、型が169名、。a型が181名、。b型が50名、「型が12名、その他が1名であった。
 治療は一次治療法として投薬が多く用いられ、その他はバイトプレーン療法、経過観察、咬合治療、治療なしであった。一次治療効果は軽快が283人(76.2%)、不変が23人、不明が52人、転院が11人であった。一次治療効果不良例では、追加治療としてバイトプレーンが主として用いられ最終的な治療成績は軽快296名(79.8%)、不変が1名、転院等が14名となった。


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Department of Dentistry and Oral Sirgery, Shinshu Univbersity School of Medicine