教室の研究状況
信州大学医学部歯科口腔外科

学会報告

第42回日本口腔科学会中部地方部会

下顎智歯抜歯に関する患者の意識調査

        ○上原 忍、栗田 浩、清水俊英、今井恭一郎、高見沢伸治、田中廣一、倉科憲治

 今回われわれは、下顎智歯抜歯後の経過および、抜歯術施行時に入院を希望するか否かについての調査を行ったので報告する。
対  象:1998年10月から1999年5月に当科を受診し下顎埋伏智歯抜歯を行った50名、17歳から71歳。
調査方法:抜歯一週間後でのアンケート調査。内容は、年齢・性別・生活環境、臨床症状の経過、安静の期間、下顎智歯抜歯時の入院希望の有無、両側下顎智歯抜歯の希望の有無
結  果:1.疼痛・平均2.4日、腫脹平均・2.5日、3.安静・平均0.4日、4.入院の希望 入院を希望22名、入院を希望せず22名、未回答6名、5.下顎智歯両側同時抜歯 希望10名、希望せず34名、わからない5名、未回答1名
考  察:入院を希望する患者が、44%と予想より多く認められた。 

顆粒細胞型エナメル上皮腫の一例

         張 淳美、大塚 明子、小林 啓一、松澤智由貴、茅野めぐみ、倉科 憲治

 今回われわれは、顆粒細胞型エナメル上皮腫の一例を経験したので概要を報告した。患者は49才、男性。左臼後部頬粘膜の腫脹、疼痛を主訴に、平成10年9月18日当科初診となる。現症として顔面左右対称、左臼後相当部に径2mm大の境界明瞭な腫瘤が認められた。X線では、下顎枝前縁に境界明瞭な単房性当透過像を認め、CT像では同部位に頬舌的に突出するような径20mm大のmassを認めた。9月16日生検施行し、下顎嚢胞と診断された。11月2日全麻下にて摘出術を行った。病理組織学的に内腔面に高円柱状の細胞と、一部好酸性の顆粒を有する細胞のLiningを認めた。免疫染色にてサイトケラチン、ライソゾームに陽性、上皮性の細胞と考えられ、顆粒細胞型エナメル上皮腫と診断した。術後一年経過し再発等の所見は認めないが、十分に経過観察を行う予定である。


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Department of Dentistry and Oral Sirgery, Shinshu Univbersity School of Medicine