教室の研究状況
信州大学医学部歯科口腔外科
学会報告 |
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○大塚明子、栗田 浩、小林啓一、田中廣一、倉科憲治 今回われわれはシスプラチンを含む化学療法による悪心・嘔吐に対する塩酸ラモセトロン単独投与とステロイド併用投与による臨床効果・安全性について無作為化クロスオーバー法を用いて比較検討した。対象は1999年1月から2001年12月までに当科にてシスプラチン(50mg/F以上)を含む化学療法を行った口腔癌患者8例である。投与方法はシスプラチン投与30分前に塩酸ラモセトロン(0.3mg)単独または塩酸ラモセトロンにステロイド(リン酸デキサメタゾンナトリウム8mg)の併用とした。シスプラチン投与終了後から5日間、悪心の程度、嘔吐回数、食欲不振、副作用などについて観察し、悪心の程度、嘔吐回数から臨床効果を判定した。悪心の程度は、シスプラチン投与後6時間から24時間においてステロイド併用群の方が単独群に比して有意に低かったが、嘔吐回数、食欲不振は両群間に有意差を認めず、臨床効果は両群間で有意差はなかった。本試験期間中、頭痛が単独群1例、併用群2例、下痢が単独群1例、併用群1例に認められたが、直接の因果関係は不明であり、いずれも数日で消退した。 |
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Department of Dentistry and Oral Sirgery,
Shinshu Univbersity School of Medicine