教室の研究状況
信州大学医学部歯科口腔外科
学会報告 |
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○安藤美佳子、栗田 浩、藤森 林、倉科憲治、清水俊英1)、田村 稔1) 反復性耳下腺炎は、小児においては流行性耳下腺炎に次いで頻度の高い唾液線の炎症性疾患で、通常6歳以下の男児と30代〜40代の女性に好発する。本疾患は導管の拡張による逆行性感染が原因と考えられており、予後は良好であるが、反復する急性症状により患者は苦痛を強いられる疾患である。今回われわれは反復性耳下腺炎2例を経験したので報告した。症例は13歳男性と31歳女性で、過去10年あるいは4年の間に10回以上の反復を認めている。血液検査にてCRP・アミラーゼの上昇が認められ、膿の細菌検査にて口腔内常在菌が検出された。また、MRI画像ではT2強調画像にて高信号を呈するスモールスポットを認めた。治療は抗生剤の投与と口腔内の保清により行われ、2例とも現在まで再発等なく良好に経過している。 |
瀧沢 淳、大塚明子、中塚厚史、倉科憲治 Chondroid lipomaは1993年にM.Meisらによって報告された良性腫瘍であるが,口腔領域での発生は非常にまれである.今回われわれは,舌に発生したchondroid lipomaの1例を経験したので報告した.症例は73歳の女性で2001年11月1日,右舌根部に大豆大,無痛性の腫瘤を自覚し,翌日近内科を受診し当科を紹介され,11月6日に来科した.初診時,右側舌背部に直径6~7mm大,表面平滑で正常粘膜色を呈し,境界明瞭,弾性硬,半球状の腫瘤を認めた.腫瘤は無痛性で,舌の知覚障害,運動障害はみられなかった.外来にて静脈内鎮静法併用局所麻酔下に腫瘍切除術を施行し,術後7ヶ月経過した現在,再発等を認めず経過良好である.病理組織学的には上皮下に被膜が明らかでない限局性の病変が認められ,成熟した脂肪組織と軟骨様組織から成り,真の軟骨細胞や軟骨基質が認められなかったため,chondroid lipomaと診断した. |
Copyright
Department of Dentistry and Oral Sirgery,
Shinshu Univbersity School of Medicine