教室の研究状況
信州大学医学部歯科口腔外科

学会報告

第24回日本頭頸部腫瘍学会総会

口腔扁平上皮癌および白板症におけるmoesinの発現

      小林啓一・栗田 浩・田中廣一・倉科憲治

【目的】moesinはERMファミリー(ezrin・radixin・moesin)の1つで、CD44、CD43、ICAMなどの接着性分子とアクチンフィラメント間のクロスリンカーであり、また細胞内情報伝達に関与し、細胞の形態変化や接着、細胞増殖に役割を果たしていると考えられている。今回われわれは、口腔扁平上皮癌、白板症、正常上皮に対しmoesinの発現について検討した。
【方法】口腔扁平上皮癌28例、白板症17例、正常上皮5例についてanti-moesin mAbを用いて免疫組織学的にmoesinの発現を調べた。
【結果】moesinは正常上皮において基底層の細胞膜に強度に発現し、白板症では一部の症例を除き基底層の細胞膜に発現を認めた。一方、口腔扁平上皮癌では細胞膜における発現が減弱し、細胞質に瀰漫性に発現する傾向が見られた。


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Department of Dentistry and Oral Sirgery, Shinshu Univbersity School of Medicine