教室の研究状況
信州大学医学部歯科口腔外科
学会報告 |
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○栗田 浩,大塚明子,小嶋由子,倉科憲治 われわれはこれまでに顎関節外側部の吸収が関節円板前(内)方転位に関連して出現してくる可能性を報告(Dentomaxillofac
Radiol 30:88-91,
2001)してきた。前(内)方転位に伴って関節円板が伸展され、この牽引性の力が円板の付着部である下顎頭外側極付近の吸収性変化を引き起こしているのであろうと推察している。これらの変化は顎関節部の圧痛、運動痛などを引き起こしていると考えられる。そこで今回、下顎頭外側部の吸収性変化と臨床症状、特に顎関節部の痛みとの関連について検討を行ったので報告する。 |
○ 大塚明子、栗田 浩、倉科憲治 【症例1】57歳、女性。左側顎関節部の腫脹、疼痛を主訴にH7年8月1日、当科初診。既往暦:平成2年乳癌切除後、局所再発、肝、骨転移。現症:左側顎関節周囲にび漫性腫脹、疼痛を認めた。開口量15mm。Xムp、CT所見;左側下顎頭に不規則な骨吸収を認めた。処置および経過:局所再発、肝、骨転移巣の状態から、下顎頭転移巣は経過観察とし、H8年3月13日全身状態の悪化にて死亡。【症例2】:65歳、女性。左側耳下部の疼痛を主訴に平成13年3月23日当科初診。既往暦:平成11年6月肝癌切除。その後局所再発、肺転移。現症:左側下顎枝後縁に開口時痛を認め、開口量30mm。処置および経過:顎関節症の診断にて消炎鎮痛剤投与し、2週間程で症状消失。H14年1月11日、左側顎関節部の腫脹、疼痛を主訴に当科再初診。Xムp所見;左側下顎頭から下顎枝に広範な骨吸収。CT所見;同部に径40mm大の腫瘤を認めた。大腿骨等への多発性骨転移も認め、下顎頭を含めた骨転移巣へ放射線外照射30Gy施行し、現在経過観察中。まとめ:今回われわれは転移性と考えられた下顎頭悪性腫瘍の2症例を経験したので報告した。顎関節部に症状発現時、局所再発、遠隔転移が認められた。下顎頭転移巣には根治的治療は行わなかったが顎口腔機能障害はほとんどみられなかった。症例2は、初診時’顎関節症’と診断されたが、悪性腫瘍の既往がある場合の診断には特に注意が必要と思われた。 |
○小嶋由子、栗田浩、酒井洋徳、小塚一芳、大塚明子、倉科憲治 線維筋痛症候群は全身の慢性疼痛と多数の圧痛点を認め、多彩な不定愁訴を訴える原因不明の疾患である。今回我々は顎関節部の疼痛を主訴に当科に来院し、その後の診査にて線維筋痛症候群と判明した一例を経験したのでその概要を報告する。 |
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Department of Dentistry and Oral Sirgery,
Shinshu Univbersity School of Medicine