信州大学医学部歯科口腔外科
Department of Dentistry and Oral Surgery, Shinshu University School of Medicine
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第47回日本口腔科学会中部地方部会
(2004年10月2日、名古屋市)
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耳下腺に発生した上皮筋上皮癌の1例
○林 清永、瀧沢 淳、小池剛史、小林啓一、栗田 浩、倉科憲治
上皮筋上皮癌は、唾液腺上皮性腫瘍の1%に満たないまれな腫瘍で、高齢者の耳下腺に好発する低悪性腺癌
と考えられている。今回われわれは、耳下腺に発生した上皮筋上皮癌の1例を経験したので報告した。症例
は80歳女性、2002年3月ごろに左耳下腺部の腫脹を自覚したが疼痛等無いため放置し、その後増大し
軽度疼痛を認めるようになり10月近病院を受診し、精査加療を目的に当科へ紹介された。左耳下腺部に弾
性硬で非可動性の45×35@大の腫瘤を認めた。MR画像にて左耳下腺部にT2高信号の腫瘤を認め、内部
に隔壁構造を認めた。左耳下腺悪性腫瘍の診断の下、同年11月7日全身麻酔下に左耳下腺腫瘍摘出術が施
行された。摘出された腫瘤は40×30@大、類円形で暗赤色、弾性硬、表面不整であった。病理組織検査
の結果、上皮筋上皮癌と診断された。十分な安全域が確認され、追加切除や術後照射は行われなかったが、
現在まで再発、転移は認めていない。
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下顎骨に発生した歯原性粘液腫の1例
○横地 恵、酒井洋徳、上原 忍、小林啓一、栗田 浩、倉科憲治
粘液腫は口腔領域では比較的稀で、主に顎骨中心性に発生し、その多くが歯原性と考えられている。今回我々は、
下顎臼歯部に発生した歯原性粘液腫と考えられる1例を経験したので報告した。症例は30歳男性、2003年10月
下旬、近歯科受診しレントゲンにて右下臼歯部に透過像を認めたため、当科を受診した。パントモにて右下5〜8部
顎骨内に多房性の透過像を認め、下顎管と接していた。右下5〜8に打診痛や動揺はなく、頬側歯肉に軽度の腫脹を
認めた。CT画像で右下顎骨骨体部に約15×35mm大、多房性の透過像を認めた。2004年3月25日全身麻
酔下に顎骨腫瘍摘出術を施行した。腫瘍は表面滑沢、弾性軟で灰白色を呈していた。隔壁を有しており一塊での摘出
は困難であった。病理組織検査では、粘液性基質の中に線維芽細胞様の細胞が散在し、わずかではあるが歯原性上皮
塊が認められ、歯原性粘液腫と考えられた。現在まで再発は認めていない。
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経腸栄養剤サンエット-GPのImmunonutrition効果の検討
○ 成川純之助、栗田 浩、武井哲兵、林 清永、横地 恵、小林啓一、倉科憲治
Immunonutritionとは、特殊な栄養成分を用いて栄養管理することにより、生体の免疫増強を図ることである。
サンエット_-GPはグルタミンを多く含むことから、Immunonutritionとしての作用が期待されている。そこで今回
われわれは口腔外科手術患者を対象に、経腸栄養剤サンエット_-GPを術前、術後に使用し、免疫増強作用の検討を
行ったのでその概要を報告した。
【対象】当科において全身麻酔下に口腔外科手術を施行した患者20名。
【方法】対象を無作為に2群に分け、A群にはサンエット_-GPを、B群には通常処方の経腸栄養剤を投与した。
投与は術前3日前から術後5日以上投与した。評価項目は栄養状態および免疫能で、免疫状態を示すパラメーター
としてCD4、CD8、リンパ球幼若化反応、IL6などを測定した。
【結果】A群ではB群に比べ術後にリンパ球幼若化反応の上昇を認め、免疫増強作用を有することが示唆された。
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