
農業,漁業,林業などは一次産業、製造業は二次産業、サービス業が三次産業です。産業を医療に例えると、間口の広い内科が一次医療、外科は二次医療、形成外科は三次医療に相当します。例えば、コンピューターを例にとると、二次産業のハードがいくら良くても、三次産業のソフトが良くないと満足するように機能しません。
二次医療の外科系医療(外科、産婦人科、整形外科、耳鼻咽喉科、脳神経外科、口腔外科など)の切除手術の技術が進めば進むほど、三次医療の形成外科の再建手術が良くないと、患者さんの体の形態や機能は、満足できる結果が得られません。
私たちの信州大学医学部附属病院は、長野県がん診療連携拠点病院で、進行癌などの加療の県内の最後の砦です。形成外科では、患者さんのquality of lifeだけでなくamenity of lifeを得るために、良い再建手術を提供できるように努力しています。私たちの信州大学医学部附属病院は高次救命救急センターで、熱傷や切断指や顔面の外傷でも、より良い再建手術を提供できるように努力しています。
形成外科は一般に、癌の再建、外傷治療(熱傷・顔と手の外傷など)、先天奇形治療(口唇口蓋裂・血管奇形・小耳症など生まれつきの病気)を専門として扱っています。多くの大学病院が美容外科も標榜していますが、当科ではまだ行っていません。
当科の特徴の一つに眼瞼形成外科が挙げられます。眼瞼眼窩の癌の再建術、眼瞼眼窩の外傷、眼瞼の先天性下垂症だけでなく、頭痛、肩こり、疲労などの多くの不定愁訴を起こす腱膜性眼瞼下垂症、眼瞼痙攣そして眼瞼内反症の治療にも、新しい治療方法を開発し、力を入れております。
形成外科は三次医療のサービス業で、新しい医療技術を起こし、患者さんに満足していただける新しい医療の担い手であろうと、教室員一同で努力しております。
信州大学医学部形成再建外科学講座(病院では形成外科) 松尾 清