教室案内

教授からのご挨拶

当教室は、がん医療・治療学の教育指導体制の基盤となり、卒前・卒後と連続したがん治療専門医育成を目的に、平成24年10月に開設されました。平成25年4月からは、診療体制(信州がんセンター)も整備され、がん領域の教育・診療・研究体制を整えました。消化器、胸部悪性腫瘍、血液悪性腫瘍等の化学療法、放射線治療および緩和ケアを、より適切にかつ専門的に提供することを目的とし、若手医師の育成を兼ねながら診療・研究活動を行う教室です。

当教室の使命

研究探究心を有するがん治療専門医育成を使命とします。特に腫瘍内科医、放射線治療医および緩和ケアに幅広く精通する医師の育成を目指します。担癌患者のがん治療を広い見地から診療できる医師、一般内科医としての素養を身につけ、腫瘍学全体を見定める力量と専門性を兼ね備えた臨床医が目標です。
当教室に所属して長期的にがん診療の研鑽と研究を行い、腫瘍内科医として専門医取得や希望に応じて医学博士取得を目指します。また一方で、単一の診療科のみのがん診療や指導体制では、臓器横断的ながん治療の視点に偏りが生じます。他の診療科所属の医師や他病院所属に医師に対しても、短期ローテイト研修も受け入れ、広い観点から治療を検討する研鑽の場を提供することも当教室の重要な使命と考えています。

当教室の基本姿勢

多彩ながん種の治療を経験すること(general oncologist)、研究的探究心を持つこと(academic oncologist)がモットーです。また、他のがん種を経験することでさらに自分の専門性を伸ばすことを目指す医師(specialized oncologist)にとっても当教室での研鑽は貴重な経験になると確信しています。また家庭の事情等を有する女性医師にとっても通院治療の業務を扱うなど、勤務体制を多様に選択でき、教室として支援もできます。化学療法・放射線治療医・緩和医療の専門医師はどこでも引く手あまたで、就職先に困ることはありません。必ず自分を生かせる、興味を抱ける領域そして貴重な研修時間を提供できる教室と考えています。

がん治療に興味のある若手医師諸君、自分の専門外のがん治療を経験したい方、通院治療室のみでも担当してくれる女性医師の方、信州の環境を好きな方、当教室で学ぶことをお待ちしています。我々ともに、21世紀のがん治療をリードしましょう。

信州大学医学部 包括的がん治療学教室 教授 小泉 知展

研究テーマ

1)化学療法

  • 自施設および長野県内の関連施設と共同研究を実施していると同時に、JCOG(日本臨床研究グループ)肺がん内科グループやNEJ(北東日本研究機構)に所属し、多施設共同臨床研究に参加し、臨床研究を推進しています。
  • 希少がん、原発不明がんおよび肉腫等への治療法の開発。
  • NK細胞リンパ腫・白血病および顆粒リンパ球増多症などの病態解析。
  • 多発性骨髄腫に対する新規薬剤の有用性の検討。
  • 免疫チェックポイント阻害剤の有効性評価のバイオマーカーの検出。

2)放射線治療

  • 頭頸部、食道、肺、子宮頸がん等の局所進行病変を対象に、同時化学放射線療法により治療強度を高めて根治および治癒率の向上を図る臨床研究の推進。
  • 体幹部定位照射、強度変調放射線治療などによる高い精度で放射線照射を行うことにより、有害反応の軽減と治療成績の解析研究。

3)緩和ケア

  • 骨転移によるがん性疼痛に対する放射線療法と早期緩和医療介入の有効性の検討。
  • 緩和医療における薬物療法および放射線治療等といった治療(Cure)以外の、リハビリ、マッサージ、アロマセラピー、音楽療法等の有用性の検討。
  • 実験動物を用いた癌性疼痛の新たな薬剤の開発。