腎臓班
腎臓は、体内の中で最も重要な“体内環境維持装置”です。
非常に大事な臓器なので、体の中に通常は2個あります。
様々な環境に対応できるように、普段は、かなりの余力を持ち生命環境維持に貢献しています。
その働きは一言で言えば、体の中の老廃物や余分な水分・ミネラル分を尿として排泄し、体内の状態を常に一定に保つ臓器ということになりますが、腎臓が担っている調節機能は、多種多様であり、その障害により様々な症状が出現します。
- 1.水分の排泄機能
- 障害されると・・・浮腫(むくみ)、体重増加、高血圧、腹水・胸水、呼吸困難などが出現します。体内の水分バランスが破綻することによる症状です。
- 2.老廃物(尿毒素)の排泄機能
- 障害されると・・・細胞活動で作られた老廃物が、体内に蓄積します。腎臓の障害により蓄積する老廃物は数百種類あり、その総称が“尿毒素”です。尿毒素の蓄積により、悪心・嘔吐・食欲低下などの消化器症状や、頭痛・不眠・いらいら感・意識障害などの神経症状が出現します。
- 3.電解質バランスの調節機能
- 障害されると・・・塩分(ナトリウム、クロール)、カリウム、カルシウム、リンといった電解質のバランスを正常に保てなくなります。水分バランスへの影響、不整脈や心機能への影響、骨への影響などが出現します。
- 4.酸塩基平衡の調節機能(血液を弱アルカリ性に保つ)
- 障害されると・・・血中の酸とアルカリのバランスが崩れると、正常な細胞活動が阻害され、循環障害・神経障害などの症状が出現します。
- 5.造血刺激ホルモンの分泌
- 障害されると・・・造血ホルモンの分泌が減少し、著しい貧血が出現します。
- 6.ビタミンDの活性化
- 障害されると・・・腎臓で行われているビタミンDの活性化が出来なくなります。そのため骨がもろくなり、またカルシウム・リンの体内バランスにも大きな影響を与えます。
- 7.血圧の調節
- 障害されると・・・血圧異常を来たし、心・脳・血管系に多大な影響を与えます。
腎臓病は、これらの腎臓の多種多様な機能が障害される病気です。
色々な原因により腎臓は障害されますが、一方、腎臓の障害により、多様な症状が出現し、また他の臓器にも重大な影響を与えます。
- 慢性腎炎
- 生活習慣病(高血圧、高脂血症、高尿酸血症、糖尿病など)
- 動脈硬化
- 膠原病、血管炎などの自己免疫性疾患
- 遺伝性疾患
- 泌尿器科的疾患(慢性腎盂腎炎など)
- 妊娠中毒症 など
信州大学医学部
内科学第二講座
〒390-8621
長野県松本市旭3-1-1
TEL : 0263-37-2634
FAX : 0263-32-9412
ninai@shinshu-u.ac.jp