毎日新聞 2006.6.25

Proteus Project

 海神ポセイドンの従者にして予言と変身に長じた神、プロテウス。この神の名を冠したプロジェクトは、縦横に変身するES細胞を対象とした研究を象徴するにふさわしい。ES細胞は人類のルーツを探る極めてすぐれたツールであるとともに、この細胞の研究を医療、健康に還元することでヒトES細胞樹立の意義が明確になり、かつ運命に翻弄されES細胞となった受精卵に対する我々の責務を果たしたといえるだろう。しかし、現在多くの関心が注がれている分化誘導カクテル開発に加え、機械化による大量培養法、凍結法、移植法、安全性など幾つかの関連する研究開発を同時に進行しなければならない。私どもの講座はES細胞研究を開始した当初より、この青写真を見据え、産学連携を基盤にしながら還元の現実化に向け、マウス、サル、ヒトES細胞を用いながら様々な研究開発を行ってきた。ES細胞に関する産学連携を基盤とした研究開発、これがプロテウスプロジェクトである。

 現在、このプロジェクトのプロトタイプがほぼ完成し、今後さらにそれらを現実化する段階に向かう。私どもの考えに賛同していただき、多くの企業がこのプロジェクトに参加されることを期待したい。

【共同研究テーマと研究先】



 主な研究開発  共同研究先
 ES細胞の大量培養と機械化  株式会社ブルボン
 培地開発  コバレントマテリアル
 EBの大量培養と機械化  日水製薬株式会社
 代謝機能センサー開発  日本油脂
 分化誘導カクテル開発  エア・ウォーター株式会社
 凍結技法開発  産業技術総合研究所
 移植基材、移植法  3-D Matrix Japan

【報道発表】


日経産業新聞 2007.6.19

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