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「きこえと遺伝子」のご紹介
近年の統計では、先天性難聴の原因のうちおおよそ5割は遺伝子が原因によるものであると考えられています。「きこえと遺伝子」では「遺伝子とはなにか?」という入門の話から、「なぜ難聴の遺伝子診断が必要か」、「難聴の原因遺伝子検査の実際」といった遺伝子検査の必要性やその具体的な方法、「日本人難聴患者に見出される難聴遺伝子の種類と特徴」では、日本人に見つかる難聴の原因遺伝子変異の種類とその症状の特徴などを症例を交えながら分かりやすく解説しています。また、「難聴の遺伝カウンセリング」では、遺伝子変異の種類と遺伝カウンセリングについて、実例を交えながら解説されております。難聴の遺伝子解析について詳しく知りたい方は是非ご一読ください。
「きこえと遺伝子」 宇佐美真一編 金原出版 ISBN4-307-37081-3 定価:\3800+税
「きこえと遺伝子」の序文
先天性難聴は出生1000人に1人の割合で生まれるとされ、先天性疾患のうちでも最も頻 度の高い疾患の一つである。従来原因不明であった難聴も遺伝子の面から明らかにな
り、遺伝子診断が臨床応用できるようになってきた。今後数年のうちに難聴の分類は 原因遺伝子ごとに再分類されていき、教科書が大きく書き換えられる日も近いと思わ
れる。それに伴い近い将来難聴の診断をすすめる際に遺伝子診断は欠かせないものに なることが予想される。このように遺伝子診断の臨床応用できるようになってきたが、
一般臨床家にとってはまだ遺伝子は難しいものという考えも強いのも事実である。現 在多くの自治体で新生児聴覚スクリーニングが始まり多くの難聴児が早期に発見され
るようになってきている。先天性難聴の少なくとも50%は遺伝子の関与によるものと推 測されており、正確な原因検索のためには遺伝子診断が必要で、最近では希望される
患者さんも増えてきた。原因遺伝子によって発症時期、進行性、前庭症状、随伴症状 が異なるので、遺伝子診断は難聴の正確な診断、治療法の選択、予後の推測、合併症
の予測、さらには予防や遺伝カウンセリングといったものに関して重要な情報を提供 してくれるようになってきた。本書ではなるべく実際の症例に即して記載することに
より日常診療に生かせるように心がけた。遺伝子診断が日常診療で一般化される一方 で、それに伴う遺伝カウンセリングの充実が求められている。信州大学医学部附属病
院では全国に先駆け「遺伝子診療部」が設けられ、各診療科と連携して遺伝子診療に 取り組んでいる。本出版では難聴の原因遺伝子に関する最新の情報を一般医師、パラ
メデイカルにも分かるように平易に解説した入門書にするとともに遺伝カウンセリン グについてもケーススタデイを入れるなど日常臨床の場で生かせるような構成にした。