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フレッシュキャンパスセミナー

2012.02.23

第48回信州大学全学教育機構(SGE)フレッシュキャンパスセミナーの開催記録

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開催日時:平成24年2月22日(水) 18時~19時30分

 

講師:山本 省  (信州大学全学教育機構教授)                 

 

題目:ジャン・ジオノの『丘』の独創性

 

概要:ジャン・ジオノ(Jean Giono、1895-1970)が生涯を過ごしたマノスクの周辺には丘また丘が連なっている。 丘の上に築かれている集落も多い。
  ジオノが最初に発表した作品『丘』は、そうした丘のあいだにある小さな集落の物語である。平和だった村に異変が訪れる。幼い娘が得体の知れない病にとりつかれ、村にひとつしかない泉が涸れ、大規模な山火事が発生する。村人たちは、周囲の丘が自分たちに敵意を持っているのではないかという妄想を膨らませていく。その丘を扇動しているのはいったい何ものであろうか?瀕死の床についている村の長老ジャネの不可解な言動が住民たちの不安感をかきたてる。
  『丘』は斬新で詩的な自然描写を満載しており、読者に人間と自然の関わりを否応なく考えさせる作品である。物語の原動力のひとつは1909年にプロヴァンス地方を襲った地震であり、もうひとつは老人のうわごとのような呪詛の言葉がひきおこす住民たちの妄想の高まりである。
  動く自然と老人の妄言に翻弄される住民たちの暮らしぶりの描写を検討することによって、ジオノの小説世界の一端に触れてみたい。

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