次世代型ヒートポンプシステムの研究開発のために講義棟に備え付けられたモニターシステム
地下水を熱源とした局所温度制御温システムを導入した施設園芸ハウスとイチゴ(信大BS8-9)の栽培状況
我が国に広く賦存している地下水資源は、有望な熱エネルギー資源でもあります。旧藤縄研究室では、地下水の基礎研究・室内実験などを経て、H22~H25年度に(独)新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)の委託を受け、「次世代型ヒートポンプシステムの研究開発」を実施し、地下水制御型高効率ヒートポンプ空調システムを工学部講義棟へ導入しました。
H26~H27年度は、農水省予算の「攻めの農林水産業の実現に向けた革新的技術緊急展開事業」の採択を受け、安曇野市で実証試験「施設園芸栽培作物の低コスト・高品質・周年安定供給技術の確立」を実施しました。
深刻化する温暖化を防ぐため、地球環境にやさしい持続可能エネルギーの開発と活用が求められています。近年、地下水を熱源として利用する「次世代型ヒートポンプシステム」が脚光を浴びてきており、建築物の空調のみならず、施設園芸用ハウスなどの温度制御への応用も進められています。石油に変わる暖房エネルギーとしての効果は抜群で、実証試験ではハウス栽培で80%以上の消費エネルギーが削減されました。このような新技術が内外で普及していけば、温暖化対策の強力な手段になると考えられます。
地下水を熱源として冷暖房などに効率的に利用するためには、地下水の流れや地中の熱移動を定量的に評価し、その結果をシステムの設計に生かす必要があります。大学では、このような新技術に係る基礎研究から応用研究まで幅広い研究が行われています。