マイクロ波レーダ装置とレーダ画像(内部断面画像)の例。計測精度をさらに高め、誰もが簡単に構造物の内部情報を詳細に把握できる技術とすることが目標である。
無線センサネットワークのための端末位置計測実験の様子。センサ端末間の無線通信情報のみを利用して、端末の位置推定を実現する技術の構築を試みている。
「計測を制する者は、技術を制する」という言葉もあるほど、簡潔で高性能なシステムの実現には、計測技術が不可欠と言われます。高山研究室では、マイクロ波を使ってコンクリート壁の健全性を診断する技術など、音や光・電波といった波動が反射や伝播してきた様子を分析することにより、非破壊・非接触にものの状態を計測する技術の研究に取り組んでいます。さらに、いつも同じ計測範囲や計測精度ではなく、計測システム自身が目的に応じてその性能を適応的に変化させられる能力を備えた「知的計測システム」へと、これらの技術を発展させることを目指しています。
計測技術の高度化は、どんな世界をもたらすのでしょうか?その答えは、すべてが自動化された世界だと考えています。たとえば、近い将来では自動運転が可能な(本当の)自動車、さらに人間と共存・協調できる完全自律型ロボットなど、未来のものと思っていた多くの技術が現実となります。
計測技術は、検査や診断ばかりではなくロボットの外界認識や運動制御など、さまざまな技術の実現に欠かせません。ですから、卒業研究を通して身に付けた知識と問題解決能力が、機械系のみならずメカトロニクスの幅広い分野での研究・製品開発に活かされます。