平成04年度修士論文
 月山 晃大

長野市における環境騒音の実態把握


研究背景と目的

 本研究における環境騒音とは、“一般生活の場にある騒音”すなわち“都市という特定の場所の概念ではなく、ある一定の面積的な広がりをもつ地域に対して、そこに存在している不特定多数の騒音源から発生している騒音”を対象としている。
 従って、ある付近一定がどのような騒音レベル分布をしているか、あるいは騒音の性状・変動がどのような具合であるか、などを地域的な観点で把握することによって環境騒音の実態が明らかにされるものと思われる。
 本研究の目的は、環境騒音の定義に従い長野市街地周辺の環境騒音の現状を把握し、その実態を環境因子及び住民意識との関連を主として、分析・評価するものである。
 この研究は、昭和59年度より始められた環境騒音に関する継続研究の一環である。過去の研究において、長野県内の人口10万人を越える主要都市はほぼ網羅したものと言える。中心都市である長野市に始まり、松本・上田・佐久等、これまで蓄積されてきたデータはかなりの量となる。それらのなかで、たとえば各都市間で比較したり、あるいは主要国道の開通に伴う騒音分布変化の解析、またあるいは同じ都市を年月を隔てて調査し、その経年変化を分析するなど、様々な視点から解析を行うことにより、長野という地方都市の実態を明らかにすることを試みてきた。しかし過去の研究においては、1測定点ごとに5分間の騒音測定とその間の交通量計測という方式で主に分析を行ってきたものの、実際の住環境を完全に把握する上では不十分であった。
 そこで今回、長野市街地周辺の各測定点につき24時間の騒音測定と、併せて住環境アンケートを実施した。これによりこれまで全く見ることができなかった時間的な騒音変動と、またさらには住民意識調査により物理的データのみではない環境騒音把握が可能となり、これまで以上にその都市像がはっきりつかめるものと思われる。





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