近年、地球温暖化や都市におけるヒートアイランドの問題が大きな注目を与えるなか、都市内において緑地や水辺の環境は、憩いや癒しの空間としてだけではなく、都市の熱環境にも影響を及ぼすことは知られている。河川は都市において連続したオープンスペースであり、「風の道」として都市に影響を与えている。既往の研究では、主に海に面した大都市において「海風の遡上」という形の研究例が多い。
本研究では河川の熱的影響を把握する為に、大規模河川として犀川、中心市街地を流れる小規模河川として南八幡川を対象に、河川周辺において、温度と相対湿度を測定し、気温・湿度がどのように分布しているか、河川からの距離に応じてどのように違いがあるかを把握し、都市においてどの程度、熱的影響があるかを把握することを目的とする。さらに、風向・風速を調べることにより、季節風や山間部から河川に沿って流入する風が周辺環境に及ぼす影響についても考慮して、解析を行う。
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