2004年3月に政府決定されたヒートアイランド対策大綱においては、地表面被覆及び都市形態を改善することが、主要な熱環境対策の一つとして挙げられている。こうした熱環境対策を推進していくためには、まず対象となる都市における熱環境の形成要因を把握することが重要であり、これまでも多くの研究がなされている。しかし、このような調査・研究は大都市圏におけるものが中心である。また、夏季を対象にした研究が多く、気温変動の大きい秋季・春季における実在街区を対象にした現状把握の研究は数少ない。また、都市熱環境改善策として、都市計画の段階から気候に配慮したまちづくりを行うことが重要であるとされている。これら都市計画に役立つ資料として都市熱環境形成に与える影響を定量的に分析する必要がある。
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