平成21年度卒業論文
 大家 苗

気象観測点における気温上昇と風変化の関係―日だまり効果の検証―


研究背景と目的

近年、都市の高温化が問題となっている。ヒートアイランド現象は都市域における重大な環境問題である。ヒートアイランド形成の要因として、緑地・水面等の自然被覆の減少及び建物・道路等の人工物の増加など「土地被覆の改変」が挙げられる。本研究では、日本全国837か所の気象観測点を対象とし、@気象観測点周辺の気温と風環境の把握、A気象観測点周辺の環境変化に伴う気温上昇と風の変化率とを解析することにより、気候変化との関係性を明らかにすることを目的とする。特に、風が弱まった点において気温上昇が起こっているかどうかを、詳細に解析する。気象観測点周辺の風が樹木などの障害物により弱められ、気象観測点周辺の気温、地温が高くなることが、近藤8)によって報告されており、これを日だまり効果と呼んでいる。本研究では、この日だまり効果について検証していく。また、地域的な違いを地理的な特徴に置き換えることで、地理的な環境特性が気候変化に与える影響も考慮し、分析する。これらを通して、気温上昇と風環境に相関があると考えられる気象観測点が、どのような周辺環境の中に立地し、どのように変化したのかをより詳細に把握する。そして、気象観測点ごとに考察・比較・検討することによって、気温上昇と風環境の関係性を明らかにする。





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