平成18年度修士論文
 森 崇行

長野市市街地周辺における大気汚染濃度分布状況の把握


研究背景と目的

 近年、自動車の増加や工場の建設等に伴う大気汚染問題が顕在化してきている。この大気汚染問題を抑止するために、自動車や工場からの排出ガスに対する規制が行われているほか、交通流制御によって自動車からの大気環境負荷の低減を図る道路交通政策が一部で行われている。しかし全国的に見て、現在も自動車交通量は増え続けており、長野県下においても同様に交通量が増加傾向にある。このような背景の下、長野市において自動車や工場による地域の大気環境への影響に関する調査、研究が必要であると考えられる。  地域の大気環境評価に関して、上原、他は風洞実験を通じて、交差点周辺の大気汚染濃度分布の特性やストリートキャニオン内部の大気汚染物質拡散の評価を行っている。また、加藤、他は数値流体力学ソフトCFDを用いた大気汚染シミュレーションによる大気汚染物質拡散予測を行っている。岡崎、他は近畿地方における広域の大気環境の現状・将来予測と大気環境負荷要因の解析を行っている。三浦、他は地域住民の協力により幹線道路沿いの住宅地でのNO2の多点実測調査行っている。李、他は土地利用などを考慮し、固定発生源と移動発生源を併せた大気環境への影響度の比較評価を行っている。長野市内の大気汚染に関する研究として、星野、他は郊外において交差点周辺の後背地を含む多点での大気汚染濃度の実測と大気汚染濃度予測を行っている。これらの研究を踏まえた上で、本研究では長野市市街地を含む5km×8kmを測定範囲として、主に幹線道路沿いにおけるCO 、NOxに関して多点で実測調査を行う。そして、地域内の一般国道、主要県道、主要地方道の交通流、土地利用、清掃センターからの影響を考慮した大気汚染濃度予測を行い、長野市における固定発生源と移動発生源の影響度の比較と予測精度の検証を行う。その上で、季節別の長野市の濃度分布図を作成し、長野市における大気汚染濃度分布状況の把握を試みる。





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