平成17年度修士論文
 松永 光司

長野市環境GISデータベースの構築と都市環境解析への応用


研究背景と目的

 近年、都市環境問題が深刻化し、都市環境に対する意識が高まっている。都市計画を行う際には当該都市の環境の実態について把握しておくことが必要である。環境問題に対する取り組みが盛んな欧米諸国のなかには、建築規則で計画の際に大気および気候に関することを考慮しなければならないとしている国もある。こうした国では、気候と大気質は都市計画において不可欠な部分と考えられ、当該都市の気候マップを用いて規制が行われている。
 本研究室では比較的狭い範囲に多種多様な用途地域や土地利用が存在する長野県北部を対象地域として、20年にわたり都市環境(都市気候、環境騒音、大気質)に関する観測をおこなってきた。また、リモートセンシング技術を導入し、広域性、同時性を活かして土地被覆状況や地表面温度の分布、またそれらの経年変化などの把握も試みてきており、都市環境に関するデータが膨大に存在している。都市環境を構成する要因は多数存在し、都市環境計画を行う際にはこれらの項目を考慮する必要があると考える。そこで約20年間にわたり取得してきた多種にわたる都市環境データを分野ごとに整理し、GISを利用して地図データベース化することによって、複数のデータ項目を検索、解析、表示できるシステムを構築することを第一の目的とした。さらに、その長野市環境GISを活用して、都市環境マップを作成し、都市環境解析への応用を試みる。





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