平成18年度卒業論文
 神野 裕司

「CASBEE-地域(万博2005.3版)」と「CASBEE-まちづくり」の比較検討
〜2005年日本国際博覧会会場を評価対象として〜


研究背景と目的

 近年、地球環境問題の深刻さが顕在し、建築分野においてもサステナブル(持続可能な)建築の推進が広まってきている中で、建築物の環境性能に関する評価手法が多く開発され、評価手法の比較・研究がなされてきた。日本においても、サステナブル建築の実現を目指した様々な取り組みがなされてきたことにより、CASBEEの開発・普及が実現されてきた。そして、個々の建築物を評価対象としていた従来のCASBEEに加え、個々の建築物ではなく、建築物群を一つの集合体として環境性能を評価するという視点から、2006年7月に新たに「CASBEE-まちづくり」が開発された。また、「CASBEE-まちづくり」の先行的試行として、2005年に開催された国際博覧会会場を評価対象とした「CASBEE-地域(万博)2005.3版」が開発され、山下らの研究により博覧会会場の環境性能評価がおこなわれた。
 そこで本研究では、博覧会会場を評価対象として、「CASBEE-まちづくり」による評価を実施し、その評価結果をもとに両者の比較検討を行い、評価項目や重み係数の特徴を把握することを目的とする。そして、新たな自治体版CASBEEの開発に向けての足がかり的な提案をおこなう。また、博覧会会場は本研究における評価対象としており、総合的な環境評価が必要であると考えたため、CASBEEによる博覧会会場の環境性能評価だけではなく、博覧会協会が実施したモニタリング調査結果等をもとに、本博覧会事業が周辺環境に与えた影響等の実態把握もおこなう。





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