樹木は多くの人々にとって重要な存在である。都市部では、潤いや憩いの場を提供するばかりでなく、調湿効果や蒸発散などによりヒートアイランド低減効果がある。中山間地では生産の場であり、また防災の面からも重要な役割を果たしている。バイオマスエネルギー生産の視点からはマクロ的な樹木把握が必要であり、また植物の活性度を把握する事は、維持管理や適切な管理に重要な視点である。リモートセンシング解析では、最近こうした目的のために高周波数分解能のセンサーの開発が行われている。アメリカでは航空機搭載型のセンサーによる観測が行われ、都市環境解析に使われ始めた。日本でも2010年に人工衛星搭載型のセンサーが予定されている。高周波数分解能センサーは、植物の葉の微妙な変化を捉え、植物活性度の把握が可能になる可能性がある。本研究では高性能周波数分解能をもつフィルターを用いて、植物の生育条件を変えてストレスを与え、活性度の変化を捉える可能性を探ることを目的としている。 |