平成18年度卒業論文
 春本 雄一

長野市における都市交通の現状と自転車利用実態の把握


研究背景と目的

最近の我が国では、交通事故、交通渋滞、環境問題などの車社会の弊害から、人と環境にやさしい交通手段として自転車を見直す動きが高まっている。例えば、1998年3月に閣議決定した第五次全国総合開発計画に環境負荷の少ない交通体系を形成する手段として自転車利用の促進を盛り込んだ。また、同年6月に決定した地球温暖化対策推進大綱は、「ライフスタイルの見直し」に向けた重点施策の1つとして、自転車の安全かつ適正な利用促進に向けた環境整備を掲げている。建設省は、このような流れを受けて、全国から「自転車モデル都市」を公募し、自転車専用道路の整備や駐輪対策などに関する研究を推し進めている。 ところで、長野県は人口千人あたりの自動車保有台数は群馬県に次いで、全国2位と自動車への依存度が高いと言える。長野県において、自動車に変わる環境負荷の少ない交通手段として自転車を利用することは環境負荷の低減を行う一手段になりうる。 しかし、長野市においては自転車利用環境及び自転車道の整備はあまり行われていない。また、自転車・歩行者専用道路において交通量調査は行われておらず、現状での利用実態は明らかになっていない。 そこで本研究では、長野市を対象地域として、自転車利用環境の適切な整備に向けた基礎として、平成12年国勢調査結果と第二回長野都市圏パーソントリップ調査結果を用いて、都市交通の現状と自転車利用の実態を分析する。また、市内にある自転車歩行者専用道路及び橋梁部の歩道において交通量を計測する。交通流シミュレーターWATSimを用いたシミュレーションも併せて行い、自転車交通量が自動車交通環境に与える影響に関して検討する。





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