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お知らせ詳細

教育学部で環境教育講演会「地球の現状と体験の力~未来の子どもたちのために~」が開催されました

    

高野孝子先生

11月16日教育学部で学部エコキャンパス委員会主催により立教大学特任教授でNPO法人ECOPLUS代表理事である高野孝子先生をお迎えし環境教育に関する講演会が開催されました。学部教職員、学生、一般の市民の皆さんを含め約90人が参加し、高野先生の北極海踏破のお話に加え、新潟の農村で子どもたちに農業を伝える活動のお話もあり、地球全体から地域のことに渡り広い視野からこれから我々はいかに生きていくべきかを考える機会をいただいた90分でした。以下に講演会の概要をお示しします。


・人類は(特に先進国の)地球を浪費してきている
 エコロジカル・フットプリント(人が暮らしていくために必要なエネルギー)を調べると日本は資源を使い過ぎている。ここの40年で人類は自分たちが増えた割合よりはるかに多く資源を使っている。石油はそのうち枯渇するし,他の鉱物資源も同様である。資源がない状態の暮らし(100年前の暮らし)に戻ったとき,少数民族の暮らしに学ぶことが多いのではないか。


・生きているのは自然のおかげ
 地球温暖化の影響なのか,過去と比べてありえないほど種数が減ってきている。絶滅種が年間4万種あるというまさに死の連鎖が続いている。
 ここ数十年で食物生産量は飛躍的に伸びたがこれ以上は伸びないのではないか。近年明らかに異常な気象が続いている。気温が上昇すると食物生産量が減少する。また,海水温上昇により漁業高が減少が危惧される。後25年で海水温が現在より2度上昇する見込みだがそれ以上の上昇はどういう危機がもたらされるのか想像もつかない。
 日本の食料自給率はカロリーベースで4割,先進国では最弱であり心細い。


・生きて行くためには何が必要?
 豪雪で疲弊している農山村を再生する事業を行っている。田んぼ作りには高齢者の知識経験が重要な要素になる。
 学生と現地の村へ行き実際に生活する実習を主催しているが,学生の無防備な自然の中で過ごす1泊2日の体験の中に「生きる」という感覚が芽生える。本物の体験を経ることで,
海には海の,砂漠には砂漠の,森には森のやり方があることや,100年前には無かった石鹸や洗剤の代わりに昔のやり方があることに気がつく。
 生きて行くためには体験が重要である。体験を元に想像力創造力をつけなければいけない。


・学校では生きていく方法を学べない
 学校は都市で生きるための方法を学ぶ場所になっている現状がある。子どもたちは教育を受けるほど生まれた町や村を離れていってしまう。日本では学校教育は地域から人を引き離すものとなってしまっている。また,親が好んで地域に住まないと子供が定住するわけがない。
 南魚沼で営んでいる「山と暮らしの学校」での子どもたちに農業の体験をさせている。祖先が農業を継続してきたから今も農業がある。大豆を2本ずつ植える,野菜をいじめるというノウハウの継承がある。そして子どもたちは露地もの野菜の美味しさに気づく。
 対人関係が苦手な子供が増えている。自分で工夫をしようとしない子供や危険なことを親が避けてしまい危険ということがわからない子供が増えている。子どもたちに生きて行くための体験をさせることが必要なのではないか。

左から平野学部長 高野先生 井田准教授

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