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研究会

信州大学経法学部において月1回のペースで開催される「研究会」は、経済学、経営学、法学、政治学など、社会科学諸分野の研究成果 について報告・議論する場を提供し、さまざまな研究トピックスに関して相互理解を深めるとともに、研究者間でのコミュニケーションの促進を図ることを目的としています。
構想段階の研究や調査進行段階の研究も発表可能であり、研究者間の意見交換を通 じて研究内容の発展を図るなど、建設的な議論が展開されています。また、報告者は信州大学の教員にとどまらず、他機関の研究者も積極的に招き入れ、より広範なトピックスを取り扱うことを目指しています。
開催スケジュールと内容については、本ホームページに随時掲載する予定です。

  • 日 時 2018年11月21日(水) 17:30~19:00
    場 所 研究会室
    報告者 蔡芸琦(信州大学経法学部助教)
    テーマ 被害者の確認措置と詐欺罪における欺罔行為の判断
    要 旨 「被害者側の事情は、詐欺罪の成立にも影響を与えるのではないか」という問題関心に基づく研究が近年活発に行われてきていることを踏まえて、反対給付の支払い意思・能力と無関係な事実に関する「被害者の確認措置」と「挙動による欺罔行為の判断」との関係の考察がなされるとともに、被害者に「情報収集義務」を課す可能性を認める見解の当否が検討された。
  • 日程:2018年11月22日(木) 16:30--18:00
    題目タット多項式の高種数化
    講演者:三枝崎 剛 氏
    所属:琉球大学
    場所:経法学部 研究棟2階 法科大学院講義室1
    概要線型独立性を一般化した概念に,マトロイドがある.線型独立性に限らず,様々な離散構造・組合せ構造・代数構造はマトロイドの構造を持つ.したがって,複数の分野を統一的に扱う枠組みとして重要である.特に与えられたクラスのマトロイドの分類は興味深い.その分類の手段に,マトロイド不変量であるタット多項式を用いるものがある.しかしタット多項式は完全不変量ではない.つまり,非同型マトロイドだが,タット多項式が等しいものが無数に存在する.そこでタット多項式を一般化して,完全不変量とする試みを紹介する.更に,符号理論・置換群・ジョーンズ多項式・モジュラー形式との関わりを紹介し,講演者自身の研究目標を提示したい.なお,本講演は金沢大学の大浦学氏,山形大学の佐久間雅氏,東北大学の篠原英裕氏との共同研究に基づく.
  • 日 時 2018年10月31日(水) 17:30~19:30
    場 所 研究会室
    報告者 三枝 有(信州大学経法学部教授)
    テーマ 淫行条例と特別刑法--長野県淫行条例を契機として
    要 旨 2016年に成立した長野県の「子どもを性被害から守るための条例」の必要性、相当性および妥当性が、他の都道府県における同種の条例との比較を介しつつ考察された。そのうえで、子どもを性被害から守るためには、いかなる法律あるいは条例の存在が望ましいといえるのかが検討された。
  • 日 時 2018年9月12日(水) 16:50~18:25
    場 所 研究会室
    報告者 寺前慎太郎(信州大学経法学部講師)
    テーマ 支配株主による締出しの場面における株主間の利害調整
    要 旨 支配株主による締出しの場面(締出しの対象会社が上場会社であるものに限定)において、支配株主と少数株主の利害衝突をどのように緩和・軽減すべきかという課題に関して、その望ましい規律のあり方や方向性が、アメリカ法(特にデラウェア州の判例法理)およびドイツ法における制度との比較研究から得られる示唆をもとに探求された。
  • 日程:2018年8月9日(木) 16:30--18:00
    題目:量子系の統計推測 ~統計学からのアプローチ

    講演者:田中 冬彦
    所属:大阪大学
    場所:経法学部 研究棟4階 研究会室
    概要:量子系の統計推測は, これまで, 量子情報という物理学の一分野の中で発展してきたため, 量子論をより深く理解しようという理論物理学者の動機づけが中心だった. 推定誤差の理論限界や下限の導出や, 従来の統計学で既に確立している理論結果の拡張といった研究成果が多く得られている. その一方で, 実験技術の進歩と, 近年話題の, 量子コンピュータの実現に向けた統計手法のニーズの高まりを受けて, 実験での応用を前提とした統計手法の研究も急速に進んでいる. 講演者は(物理学の視点ではなく)統計学の視点に立って基礎理論から実応用にかけて研究を進めてきた. 本講演では, 量子情報の基礎的事項を説明した後, 推測統計の考え方との差異について触れ, 統計学の視点に沿った研究成果の幾つかを紹介する. 具体的には, 射影測定の漸近的許容性, 量子ビット系の無情報事前分布, 自己整合量子トモグラフィにおける正則化推定量の一致性といった話題を予定している. なお, 本講演の一部は東京大学先端科学技術研究センターの杉山太香典氏, 広島大学大学院理学研究科の伊森晋平氏との共同研究に基づく.

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