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柳澤 光宏 先生(株式会社シナノ 代表取締役社長)の講義が行われました

柳澤 光宏 先生(株式会社シナノ 代表取締役社長)の講義が行われました

2018. 10.17

  • 経営者と企業

 平成30年10月17日、平成30年度「経営者と企業」 第1回の講義として、株式会社シナノ 代表取締役社長 柳澤 光宏氏から「ポール技術でWalking Lifeを支える」シナノのこれまでとこれからと題して講義が行われました。

 最初に、御自身の経歴について御紹介がありました。大学卒業後、「金融」と「メーカー」を経験される中で、ものづくりの楽しさに気付き、2003年に株式会社シナノへ入社、2011年には社長に就任され、現在に至っておられます。
株式会社シナノは1919年の創業以来、スキーポールの製造メーカーとして常に業界をリードし、国内シェアトップを維持されています。スキーポール、トレッキングポール、杖、ウォーキングポールの4分野において、企画から製造、販売まで一貫して自社で行っており、各業界において高く信頼、支持されています。
 来年は創業100周年を迎え、高い技術力と高品質の製品を武器に、新たな国外市場の開拓や異業界との連携など、今後ますます「シナノブランド」が広がっていくことが期待されます。

 現在は年商8億円、社員数は47名と大きく成長された当社ですが、90年代をピークにバブル崩壊やスキー人口の減少により売り上げは激減、暖冬の影響もありスキー市場は縮小し、会社存続の危機があったことをお話しいただきました。しかし、この経験から「ひとつの事業に頼らないことが大事である」と学び、自分たちのコアな技術を活かしつつ異業種への進出をはかられ、歩行杖やウォーキングポールを展開、若者からお年寄りまで幅広く「支える技術」を提供されています。

 次に、社長に就任されて取り組まれていることについて、御紹介いただきました。自身、いかに業界の人たちだけでなく一般の方に認知してもらうか勉強中だと話され、まずは「知ってもらうこと」に特化した取り組みとして、SNSや新聞記事、ホームページの活用を具体的に挙げられました。また、「直営店」をもったことで、それまで顧客からの直接の情報が入らなかった状況から、顧客からの実際のデータにより数字が明確になり、設置する商品や売上に大きく反映されたとお話しいただきました。商業施設の中のショップにとどまらず、この9月には吉祥寺に路面店をオープン、ここで成功することは次のステップへ進む糧になると日々、努力されています。
 数々のチャレンジを繰り返す中で、「やりたいと思っていることはまず"言う"こと。言うことで協力者が現れ、実現につながる」として、今後も自分たちの強みを活かして新しいことに取り組んでいくと述べられました。

 2017年12月には「ユースエール企業」に認定されました。これは厚生労働省が発行する「働きやすい企業」の証しであり、長野県内では5社目として労働時間や離職率、有給休暇取得率などの項目において条件をクリアし、受賞されました。ほかにも経済産業省や長野県からも受賞されるなど、ワークライフバランスに優れた環境であると御紹介いただきました。

 最後に、これから就職する学生たちに向けて伝えたいこととして、「仕事に答えはない。まずは行動する」「いろいろなことに興味を持ってほしい」「いろんな人と交流し、打ち込めるものを見つけてほしい」と語られ、講義を締めくくられました。

  • (株)シナノ 代表取締役社長 柳澤光宏氏
  • 講義風景

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