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小島 拓也 先生(株式会社 ミクロ発條 代表取締役社長)の講義が行われました

小島 拓也 先生(株式会社 ミクロ発條 代表取締役社長)の講義が行われました

2018. 12.05

  • 経営者と企業

 平成30年12月5日、平成30年度「経営者と企業」 第7回の講義として、株式会社ミクロ発條 代表取締役社長 小島 拓也氏から「未来は今日造るものである ~自社改革から新分野への挑戦~」と題して講義が行われました。

 最初に「ばねの話」として、ばねの定義や種類・大きさ、日本と世界の最古の金属ばねについてお話いただきました。全国にばね工場は992社、うち654社が従業員数10名以下と小規模ながら業界全体で市場規模を拡大、さまざまな分野で日本のものづくりに貢献しています。

 1954年の創業当初は、地元のカメラメーカー向けにばねを供給することからスタートし、その後は産業の変化と共にタイプライターや文具、ビデオ、テレビといった家電のリモコンをはじめとする電子機器、自動車部品、医療機器など、様々な分野で当社の精密ばねが活躍しています。その中で、1977年に自社開発設備(NCマシーン)の開発に成功、それまで1週間かかっていたものが4時間で出来るようになるなど生産性は飛躍的に向上、それに伴いお客様からの要望も高まり、結果として新しい分野への参入や海外進出など、さらなる飛躍へつながりました。
現在は日本、海外(上海、大連、マレーシア)に拠点を置き、従業員はグループ全体で600名を数えるまでに成長、自社NCマシーンの稼働でお客様の高度な要求を実現しています。

 創業当初から主要取引産業であった「カメラ産業の激変」は、影響が大きかったと振り返られました。しかし、幸運にも国内のある展示会に展示した小物ばねがボールペン市場から注目され、ペン先の微細なばねを開発し、今では世界トップシェアを握るまでになっています。カメラ産業の衰退→ボールペン市場への参入という経験を経て「ひとつの市場に凝り固まらない。お客様に依存しない」ということを学ばれ、「MADE IN SUWA」の誇りを持ちつつも、常に変化を意識して個々のスキルアップにも繋げています。「自分の立ち位置を確認し、現実を受け入れ、あとは行動するのみだ」と語られました。

 現在、5つのばね市場(①電子機器、②文具、③半導体、④自動車、⑤医療機器)に製品を供給、顧客ニーズや技術的な要求に柔軟に応えることで分野別の売上は順調に推移し、2018年6月期の売上高は過去最高になるなど、今後も一層の活躍が期待されます。
 特に、長年取り組み続ける極細線技術を活かして医療分野へ新たに挑戦されるなど、今まで積み重ねてこられたノウハウを存分に発揮され、新規商品の開発も進められています。大学病院との共同研究により医療現場のニーズを取り入れた新たな機器の開発など、具体的な取り組みを御紹介いただきました。

 最後に、当社の経営理念から「職場が楽しくないと、人生はおもしろくない。そこに、経営者と従業員の垣根はありません」と述べられ、各種サークル活動や家族会、海外旅行等の充実したイベントや、社員の交流が盛んな様子についてもお話しされ、講義を締めくくられました。

  • (株)ミクロ発條 代表取締役社長 小島拓也氏
  • 講義風景

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