教員紹介

やまだ けんぞう

山田 健三

日本語学 教授

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雑文 音楽

さよなら〜クリスマス・イヴ

松本の冬のある夕刻の気温(自動車内表示)

 このことは、ひょっとしたら、山下達郎ファン、オフコース(小田和正)ファンの間ではよく知られていることなのかも知れない。山下達郎の音楽につい ては "On the Street Corner" あたりは好きなCDの一つで、伝説のバンドとして知られた"Sugar Babe" のCDも持ってる。大学生の頃は "Ride On Time" が流行っていてよくFMでも聴いていた。非凡な人だとは思っているけれど、およそ私自身は「ファン」と呼べるほど、彼のことをよく知っているわけではない。
 山下達郎のヒット曲「クリスマス・イヴ」は彼の曲の中でも一般によく知られているものであろう。歌い出しは、

 雨は夜更け過ぎに、雪へと変わるだろう…

で、 TVのコマーシャル・ソングにも使われたりして、ヒットしていた当時「気象学的事実に矛盾する」といったツッコミが出たり、また後には「兄は夜更け過ぎに 雪江と変わるだろう」といったオカマバー・パロディも生み出したりで、なかなかに人口に膾炙している歌詞の一つといっていい。「気象学的事実に矛盾する」 という指摘に対しては、異見があるが、それはここでは措く。
 この歌い出しの歌詞が、オフコースのヒット曲「さよなら」(1979年発表)の 最後の歌詞を承けているのではないか、と気づいたのは、2002年の12月某日。夜中に一人自宅で仕事をしながら、テレビをつけていたら、小田和正氏が、 当時ヒット曲をとばしていたオフコースにインスパイアされて「クリスマス・イヴ」(1983年発表)を作った、と、山下氏自身が書いた手紙を紹介していたからである。
 私の中では山下達郎と小田和正(オフコース)は音楽的にはつながらなかったので、この発言は実に意外だった。
 「さよなら」の最後の歌詞は次の通り。

 外は今日も雨 やがて雪になって  僕らの心の中に 降り積るだろう…

 気象学的云々をいわれるなら、むしろオフコースの方が先のはずであるが、それはどうでもいい。注意すべきは、歌詞が見事にリンクしていること。つまり、「さよなら」のエンディングの歌詞を承けて「クリスマス・イブ」はスタートしているのである。
 そういった思いで聴いてみると、両曲の曲調は全く異なるけれども、「さよなら」したから「きっと君は来ない」クリスマス・イブ、ということになり、「クリスマス・イヴ」は「さよなら」の続シーンとして位置づけられる。
 これが当たっているのかどうかは、山下氏ご自身にうかがってみなければ判らないが、こういったアンサーソング(返歌)もあるのかな、とちょっとした連歌感覚が当代のポップスにもみられ、なかなかの遊び心で興味深いと思った次第。
 ファンには知られた事実かも知れないが、その夜は、ちょっと小躍りしたくなる気分だった。
(2004/06/16執筆)
(2017/08/02レイアウト編集)

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