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辻 竜平 (つじ りゅうへい)
所属分野:社会学分野

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1  2

研究業績

2011年11月06日

最近の論文・アップデートなど


辻 竜平,2011,『中越地震被災地研究からの提言:未来の被災地のために』 ハーベスト社. 
が出版されました(2011年6月).東日本大震災の被災地の方々,特に一般の住民の方々にお役に立てればと思います.

 

高木大資・辻 竜平・池田謙一,2010,「地域コミュニティによる犯罪抑制:地域内の社会関係資本および協力行動に焦点を当てて」『社会心理学研究』26(1): 36-45.
が2011年度日本社会心理学会奨励論文賞を受賞しました.

 

「社会ネットワーク」の章を担当した
唐沢穣,村本由紀子編著,2011,『社会と個人のダイナミクス』 誠信書房
が出版されました.

 

「社会的ネットワーク」,「スモールワールド」の2項目を担当した,
松原望・美添泰人・岩崎学・金明哲・竹村和久・林文・山岡和枝(編),2011,『統計応用の百科事典』 丸善.
が出版されました.

 

1 学位論文


1-1 修士論文


辻 竜平,1993,『合理的選択理論による社会秩序創発問題への接近』 関西学院大学


1-2 Dissertation


Tsuji, Ryuhei, 1999, Trusting Behavior in Prisoner's Dilemma: The Effects of Social Networks. Dissertation Abstracts International Section A: Humanities & Social Sciences, 60(5-A) 1774 (UMI No.9929113).


2 学術論文


2-1 審査付き学術論文


高坂健次(関西学院大学)・辻 竜平(関西学院大学),1993,「アクセルロッド理論再考:インブリーディング・バイアスが集団安定性条件に及ぼす影響について」『理論と方法』 8(1):33-50.


辻 竜平(東京大学),2000,「集団における信頼関係の構造化と集団内秩序の変化」『理論と方法』 15(1): 197-208.


辻 竜平(東京大学),2001,「Wasserman と Faust の Social Network Analysis─社会的ネットワーク分析におけるその価値と位置づけについて─」『理論と方法』16(2): 253-259.(書評論文)


辻 竜平(東京大学),2001,「社会的ネットワーク分析:その理論と分析の基盤」『認知科学』 8(4): 454-465.(解説論文)


Tsuji, Ryuhei(The University of Tokyo). 2002. Interpersonal Influence and Attitude Change toward Conformity in Small Groups: A Social Psychological Model. Journal of Mathematical Sociology, 26(1-2):17-34.


辻 竜平(明治学院大学)・針原素子(東京大学),2003,「『小さな世界』における信頼関係と社会秩序」『理論と方法』18(1): 15-31.


石黒 格(弘前大学)・辻 竜平(明治学院大学),2006,「アドレス帳の利用率と登録人数のネットワーク・サイズの指標としての妥当性」『理論と方法』21(2): 295-312.


辻 竜平(信州大学)・針原素子(日本学術振興会),2008,「新潟県中越地震におけるパーソナル・ネットワークと一般的信頼の変化:震災前後のパネル調査を用いて」『社会学研究』84: 69-102.


高木大資(東京大学)・辻 竜平(信州大学),2009,「他者の目撃記憶に関する情報と再認の遅延が他者への同調的な目撃記憶に及ぼす影響」『社会心理学研究』24(3): 189-199.


辻 竜平(信州大学)・針原素子(日本学術振興会),2010,「中学生の人間関係の認知・評価と一般的信頼」『理論と方法』25(1): 31-47.


印刷ミスについて:
印刷所で印刷ミスがありました.以下のように補足をお願いします.
p.36 図1 「スタックしたデータのイメージ」の中で,「×」となっている部分は全て「N×N」,「人分」となっているところは「M人分」としてください.

高木大資(東京大学)・辻 竜平(信州大学)・池田謙一(東京大学),2010,「地域コミュニティによる犯罪抑制:地域内の社会関係資本および協力行動に焦点を当てて」『社会心理学研究』26(1): 36-45.
2011年度日本社会心理学会奨励論文賞受賞


2-2 著書(分担執筆含む)


辻 竜平,2004,「ゲマインシャフトとゲゼルシャフトの構造:テンニースの2概念をつなぐネットワーク・モデル」 三隅一人編『社会学の古典理論:数理で蘇る巨匠たち』 勁草書房,39-63.


辻 竜平,2005,「社会関係と信頼:社会関係の拡張における非推移性の意味と役割」 三隅一人・高坂健次編『シンボリック・デバイス:意味世界へのフォーマル・アプローチ』 勁草書房,41-57.


針原素子・辻 竜平,2005,「ネットワークにおける情報伝播と自己卑下的自己呈示」 佐藤嘉倫・平松闊編『ネットワーク・ダイナミクス:社会ネットワークと合理的選択』 勁草書房,27-51.

 

辻 竜平,2011,『中越地震被災地研究からの提言:未来の被災地のために』 ハーベスト社.

 

辻 竜平,2011,「社会ネットワーク」 唐沢穣,村本由紀子編著『社会と個人のダイナミクス』 誠信書房,82-100.

 

2-3 その他の学術論文(科研費報告書,紀要など)


高坂健次(関西学院大学)・辻 竜平(関西学院大学),1993,「アクセルロッド理論再考:インブリーディング・バイアスが集団安 定性条件に及ぼす影響について」 海野道郎(編),『社会的ジレンマに関する数理社会学的研究』,科学研究費補助金(総合研究A),課題番 号:03301014:108-125.


辻 竜平(東京大学),2002,「ゲマインシャフトとゲゼルシャフトを分けるもの─Duncan Wattsの『小さな世界』シミュレーションを応用して─」 三隅一百(編),『フォーマライゼーションによる社会学的伝統の継承と刷新』,科学研究費補 助金基盤研究(B)(1),課題番号:11410047:47-65.
中国語版もあります( 晓娴さんの訳による).


針原素子(東京大学)・辻 竜平(明治学院大学),2005,「社会的ジレンマ実験における『移動型トリガー戦略』:心理的個人特性,行動意図からの検討」,『秩序問題への進化ゲーム理論的アプローチ』,科学研究費補助金基盤研究(B),課題番号:14310095:192-209.


辻 竜平(明治学院大学),2005,「沈黙の螺旋としての「冬ソナ」・「韓流」ブーム:モデリングへ向けての実証研究」,三隅一人 (編),『フォーマライゼーションによる社会学的伝統の展開と現代社会の解明』,科学研究費補助金基盤研究(B),課題番 号:14310084:57-70.


辻 竜平(明治学院大学),2005,「沈黙の螺旋としての「冬ソナ」・「韓流」ブーム:誰が語り誰が乗ったか」,『明治学院大学心理学部付属研究所紀要』 3:3-14.


辻 竜平(明治学院大学),2005,「Wattsの『スモールワールド・ネットワーク』に見る3つの問題」,三隅一人(編),『フォーマライゼーションによる社会学的伝統の展開と現代社会の解明』,科学研究費補助金基盤研究(B),課題番号:14310095:71-79.


辻 竜平(明治学院大学),2005,「社会的アイデンティティ理論再考:社会ネットワーク分析の観点から」,『明治学院大学心理学紀要』,15:55-61.


Tsuji, Ryuhei (Meiji Gakuin University), 2006, "Psychological Biases in Estimating Acquaintanceship Volume," 『明治学院大学心理学部付属研究所紀要』 4:51-56.


Tsuji, Ryuhei (Meiji Gakuin University), 2007, "The 'Zero Problem' in Estimating Acquaintanceship Volume and Its Solution," 『明治学院大学心理学紀要』 17: 1-8.


辻 竜平(明治学院大学)・針原素子(日本学術振興会),2008,「ネットワーク理論から見た野沢温泉の活性化:観光関係者へのイ ンタビューをふまえて」,籠谷和弘(編),『市民活動の活性化支援の調査研究:秩序問題的アプローチ』,科学研究費補助金基盤研究(B),課題番 号:17330122:141-150.


辻 竜平(信州大学),2009,「社会モデリング・社会システムシミュレーションにかかわる社会学的課題」,横断型基幹科学技術研究団体連合(編),『分野横断型科学技術アカデミック・ロードマップ報告書』,123-131(参考文献は,166-169).(査読あり)


3 翻訳


Watts, Duncan, 2003, Six Degrees: The Science of a Connected Age, New York: W.W.Norton & Company, 辻 竜平・友知政樹(訳),2004,『スモールワールド・ネットワーク:世界を知るための新科学的思考法』,阪急コミュニケーションズ.


Freeman, Linton C., 2004, The Development of Social Network Analysis: A Study in the Sociology of Science, Vancouver, BC, Canada: Empirical Press, 辻 竜平(訳),2007,『社会ネットワーク分析の発展』,NTT出版.


4 学会発表


4-1 単独


    4-1-1 フルペーパーの審査あり


Tsuji, Ryuhei (The University of Tokyo), "A Model of Group Polarization and Effects of Social Networks," Anaheim Hilton & Towers and Anaheim Marriott, CA, USA, Mathematical Sociology Regular Session: 96th American Sociological Association Annual Meeting, Aug. 19, 2001.


Tsuji, Ryuhei (The University of Tokyo), "Social Order in Large Networks: An Application of Watts' Small World Simulation," Hilton Chicago, Hilton Palmer House, IL, USA, Mathematical Sociology Regular Session: 97th American Sociological Association Annual Meeting, August 16-19, 2002.


    4-1-2 招待講演


Tsuji, Ryuhei (Meiji Gakuin University), "Social Network Structure and Solidarity of the Society," Beckman Center, CA, USA, Social Networks Symposium: 7th Japan-America Frontier of Science Symposium (JAFoS), Dec. 10-12, 2004.


    4-1-3 シンポジウム等 ディスカッサント・コメンテーター


Tsuji, Ryuhei (Meiji Gakuin University), "Personal Networks in Japan and US," Hokkaido University Conference Hall, International Symposium on Topological Aspects of Critical Systems and Networks, Feb 13-14, 2006.

 

辻 竜平 (明治学院大学),ラウンドテーブル「合理的選択理論の実証はいかにして可能か」 ,討論者,東京大学,数理社会学会第41回大会,2006年3月4日.


辻 竜平(明治学院大学),シンポジウム「スモールワールド研究の社会学的再検討」,企画者・報告者,報告:「ネットワークにおける形式と意味の狭間で」,九州大学,数理社会学会第43回大会,2007年3月3日.


辻 竜平(明治学院大学),パネルディスカッション「スモールワールド実験の再考」,パネラー,中央大学, 情報処理学会ネットワーク生態学研究会第3回シンポジウム,2007年3月15日.

 

辻 竜平(信州大学),シンポジウム「温泉観光地活性化と社会関係資本」,報告者,京都産業大学,数理社会学会第47回大会,2009年3月8日.

 

辻 竜平(信州大学),シンポジウム「人間の行動モデル再考」,企画者・司会者,信州大学,数理社会学会第52回大会・ネットワークが創発する知能研究会第7回大会合同大会,2011年9月6日.

 

辻 竜平(信州大学),広報委員会・大会運営委員会企画シンポジウム「東日本大震災を乗り越えるために:社会心理学からの提言」,話題提供者,名古屋大学,日本社会心理学会第52回大会,2011年9月19日.


    4-1-4 審査なし


辻 竜平 (University of California, Irvine),「信頼の構成要因に関する実証研究」 琉球大学,日本社会学会第69回大会,1996年11月23日


Tsuji, Ryuhei (University of California, Irvine), "Permutation Tests for Symmetry and Transitivity in Real-Valued Data" 流通経済大学,数理社会学会第24回大会,1997年11月10日


辻 竜平(University of California, Irvine,北海道大学),「信頼と信頼性の見極めに関するネットワーク分析」 関西学院大学,数理社会学会第25回大会,1998年3月14日


Tsuji, Ryuhei (University of California, Irvine), "Accuracy of Prediction in PD Games and Trust in Group" Charleston Suites at Market, Charleston, SC, USA, Sunbelt 19th: International Sunbelt Social Network Conference, Feb 20, 1999.


辻 竜平 (University of California, Irvine),「集団意思決定における信頼の対称性と推移性の影響」 関西大学,関西社会学会第50回大会,1999年6月6日


辻 竜平(カリフォルニア大学アーバイン校),「集団秩序の維持と社会的ネットワークの役割」 上智大学,日本社会学会第72回大会,1999年10月11日


辻 竜平,「集団における態度変容の動的モデル」 法政大学,数理社会学会第29回大会,2000年3月16日


Tsuji, Ryuhei (The University of Tokyo), "A Dynamic Model of Attitude Change in Group," The Pagoda Hotel, Honolulu, Hawaii, Mathematical Sociology in Japan and in America: 1st Joint Conference (JAMS and ASA Mathematical Sociology Section), June 23, 2000.


辻 竜平(東京大学),「説得による集団分極化とネットワークの効果」 光華女子大学,数理社会学会第31回大会,2001年3月13日


辻 竜平(東京大学),「ネットワーク上の3者間囚人のジレンマにおける信頼のインフレーションとその要因」 愛知学院大学,日本社会心理学会第42回大会,2001年10月13日


Tsuji, Ryuhei (The University of Tokyo), "Estimating Acquaintanceship Volume in Japan and US," The Coast Plaza Suites Hotel, Vancouver, BC, Canada, Mathematical Sociology in Japan and in America: 2nd Joint Conference (JAMS and ASA Mathematical Sociology Section), May 31 to June 2, 2002.


辻 竜平(東京大学),「ゲマインシャフトとゲゼルシャフトを分けるもの:『小さな世界』における信頼関係」 大阪大学,日本社会学会第75回大会,2002年11月16日


辻 竜平(明治学院大学),「個別的信頼の非推移性による関係拡張と一般的信頼の形成:知人数を媒介として」慶應義塾大学,数理社会学会第36回大会,2003年9月19日


Tsuji, Ryuhei (Meiji Gakuin University) "How Many People Are You Acquainted with?" Shonan Kokusai Mura, 6th Japan-America Frontier of Science Symposium (JAFoS),Dec 8-10, 2003


辻 竜平(明治学院大学),「社会ネットワークの視点と日本人の社会ネットワークの特徴」 中央大学,日本選挙学会2004年度総会・研究会,2004年5月16日


辻 竜平(明治学院大学),「知人数にかかわるネットワークの諸特性:インターネット調査より」 北星学園大学,日本社会心理学会第45回大会,2004年7月18日


辻 竜平(明治学院大学),「社会ネットワークの視点と技法」,自主企画ワークショップ「社会心理学における社会ネットワーク的視点の意義:理論的背景と実証における有用性」 北星学園大学,日本社会心理学会第45回大会,2004年7月19日


辻 竜平(明治学院大学),「震災前後の一般的信頼の変化:中越地震被災地におけるパネル調査から」,東北福祉大学,東北社会学会第54回大会,2007年7月22日.


辻 竜平(信州大学),「直接的・間接的にアクセス可能な他者と地位達成:ポジション・ジェネレータを用いて」 東北大学,日本社会学会第81回大会,2008年11月23日.

 

辻 竜平(信州大学),「口承文芸のヴァリアントによる地域性析出の可能性:新潟県旧栃尾市で採取された『三枚のお札』の分析から」 北星学園大学,数理社会学会第48回大会,2009年9月19日.

 

辻 竜平(信州大学),「口承文芸のヴァリアントの分布と通婚圏の重なり:新潟県旧栃尾市で採取された『三枚のお札』の分析」 立教大学,日本社会学会第82回大会,2009年10月11日.

 

辻 竜平(信州大学),「長野県下伊那郡下條村の特異性:長野県内10市町村調査結果から」,日本社会学会第84回大会,2011年9月17日.


4-2 共同


    4-2-1 フルペーパーの審査あり


Tsuji, Ryuhei (Meiji Gakuin University) and Harihara, Motoko (The University of Tokyo), "A Model of Japanese Self-Effacement: Information Flow and Self-Effacing Presentation," Hilton San Francisco & Renaissance Parc 55 Hotel, CA, USA, Section on Social Psychology, Social Psychology Roundtables: 99th American Sociological Association Annual Meeting, August 14-17, 2004.


辻 竜平(明治学院大学心理学部)・針原素子(日本学術振興会)・添川朝香(明治学院大学文学部心理学科学生),2005,「震災か らの復旧・復興における行政ネットワークと住民ネットワークの利用:新潟県X市でのインタビュー調査からの考察」,日本ソフトウェア科学会ネットワークが 創発する知能研究会第1回国内ワークショップ,2005年10月3日.(ISSN:1341-870X No.37)


    4-2-2 審査なし


小河尚子(北海道大学文学部)・辻 竜平(カリフォルニア大学アーバイン校)・小杉素子(電力中央研究所)・菊地雅子(北海道大学文学研究科)・山岸俊男(北海道大学文学部)「人間性の検知と関係性の検知-実験研究-」 名古屋大学,日本グループ・ダイナミックス学会第46回大会,1998年9月26日


菊地雅子(北海道大学文学研究科)・木谷奈織美(日本移動通信株式会社)・辻 竜平(カリフォルニア大学アーバイン校)・大沼 進(北海道大学文学部)・平石 希(CRC総合研究所)「対人推定と社会的交換における他者の行動予測の正確さ」 慶応大学,日本社会心理学会第40回大会,1999年10月30日


辻 竜平(東京大学)・針原素子(東京大学)「既知の他者に対する自己卑下と一般的他者に対する自己卑下──自己卑下に関する公理論的アプローチ──」滋賀大学,数理社会学会第30回大会,2000年10月1日


針原素子(東京大学)・辻 竜平(東京大学)「自己高揚が適応的なとき・自己卑下が適応的なとき ―自己呈示モデルの検討―」群馬大学,数理社会学会第32回大会,2001年9月22日


辻 竜平(東京大学)・松山久美(東京大学)・針原素子(東京大学)「日本における知人・友人数の推定」東京工業大学,数理社会学会第33回大会,2002年3月16日. レジュメ訂正


Harihara, Motoko (The University of Tokyo) and Tsuji, Ryuhei (The University of Tokyo), "Which is adaptive, self-enhancement or self-effacement? : A mathematical model of self-presentation," The Coast Plaza Suites Hotel, Vancouver, BC, Canada, Mathematical Sociology in Japan and in America: 2nd Joint Conference (JAMS and ASA Mathematical Sociology Section), May 31 to June 2, 2002.


針原素子(東京大学)・辻 竜平(東京大学)「都市と村落における自己呈示モデルの検証―ネットワークの違いが自己卑下に及ぼす影響―」岩手県立大学,数理社会学会第34回大会,2002年9月15日


辻 竜平(東京大学)・針原素子(東京大学)「一般的信頼尺度の再検討 ―都市と村落のデータの比較をとおして―」岩手県立大学,数理社会学会第34回大会,2002年9月15日


辻 竜平(東京大学)・針原素子(東京大学)「都市と村落の社会的ネットワークと一般的信頼」一橋大学,日本社会心理学会第43回大会,2002年11月9日


針原素子(東京大学)・辻 竜平(東京大学)「日本人における自己卑下の規定因を探る ―都市と村落のネットワーク比較から―」一橋大学,日本社会心理学会第43回大会,2002年11月10日


大浦宏邦(帝京大学),石原秀樹(早稲田大学),小林 盾(シカゴ大学),針原素子(東京大学),辻 竜平(東京大学),小山友介(東京工業大学)「所属集団を変更できる社会的ジレンマ実験」学術総合センター,計測自動制御学会第28回システム工学部会研究会,2003年3月7日


針原素子(東京大学)・辻 竜平(東京大学)「所属集団の変更可能なSDゲームにおける協力行動の規定因―規制の小さい状況でも発動する他者からの疎外回避動機―」大分大学,数理社会学会第35回大会,2003年3月15日


針原素子(東京大学)・辻 竜平(東京大学)「ネットワーク構造が自己呈示方略に及ぼす影響について」キャンパスプラザ京都,日本グループ・ダイナミックス学会第50回大会,2003年3月22日


辻 竜平(明治学院大学)・針原素子(東京大学)「日本人の人間関係と知人数の規定因:「小さな世界」モデルの検証」東洋大学,日本社会心理学会第44回大会,2003年9月16日


稲垣佑典(明治学院大学)・辻 竜平(明治学院大学)「報酬分配の公正性判断に勢力が及ぼす影響」,関西学院大学,日本社会心理学会第46回大会,2005年9月24日・25日.


辻 竜平(明治学院大学)・針原素子(日本学術振興会・東北大学)「知人数の推定と補正」,東京大学,数理社会学会第41回大会,2006年3月4日


Tsuji, Ryuhei (Meiji Gakuin University) and Harihara, Motoko (Japan Society for the Promotion of Science), "Comparison of the Acquaintanceship Volumes in Japan and The United States," XVIII International Congress of IACCP, Isle of Spetses, Greece, July 14, 2006.


Harihara, Motoko (Japan Society for the Promotion of Science) and Tsuji, Ryuhei (Meiji Gakuin University), "The Effect of Social Networks on Modest Self-Presentation among Japanese: Comparison of Rural and Urban Area," XVIII International Congress of IACCP, Isle of Spetses, Greece, July 14, 2006.


辻 竜平(明治学院大学)・針原素子(日本学術振興会)・添川朝香(明治学院大学)「震災からの復旧・復興における社会ネットワークの活用」,東北大学,日本社会心理学会第47回大会,2006年9月17日.


高木大資(明治学院大学)・辻 竜平(明治学院大学),「社会的影響による目撃証言の変容:誤導情報と保持期間が記憶の再認に及ぼす影響」,東北大学,日本社会心理学会第47回大会,2006年9月17日.


磯部 梓(明治学院大学)・辻 竜平(明治学院大学),「攻撃行動における認知的ギャップと思いやり尺度の関連」,東北大学,日本社会心理学会第47回大会,2006年9月17日.


稲垣佑典(明治学院大学)・辻 竜平(明治学院大学),「都市と村落における信頼の構成とその形成の違いの検討」,東北大学,日本社会心理学会第47回大会,2006年9月18日.


小舩達己(明治学院大学)・辻 竜平(明治学院大学),「寛容性における構成要素の検討」,東北大学,日本社会心理学会第47回大会,2006年9月18日.


針原素子(日本学術振興会)・辻 竜平(明治学院大学),「地位役割に関する自己卑下的自己呈示の動機について:村落の住民代表調査より」,東北大学,日本社会心理学会第47回大会,2006年9月18日.


金井雅之(山形大学)・籠谷和弘(関東学院大学)・小林 盾(成蹊大学)・武藤正義(東京工業大学)・針原素子(日本学術振興会)・渡邊 勉(信州大学)・秋吉美都(専修大学)・辻竜平(明治学院大学)・高久聡司(東京工業大学)・三隅一人(九州大学),「宿泊施設の経営環境と業績との関係についての統計的分析:温泉地域の現状と取り組みについての学術調査(1)」,山形市蔵王体育館,日本温泉地域学会第9回大会,2007年7月3日.


辻 竜平(明治学院大学)・針原素子(日本学術振興会),「震災にともなう一般的信頼とネットワークの変化:新潟県中越地震におけるパネル調査より」,早稲田大学,日本社会心理学会第48回大会,2007年9月23日 .


稲垣佑典(東北大学)・辻 竜平(明治学院大学),「都市部と村落部における信頼生成プロセスの検討」,早稲田大学,日本社会心理学会第48回大会,2007年9月23日 .


小舩達己(明治学院大学)・辻 竜平(明治学院大学),「社会的機会の拡大において寛容性の果たす役割」,早稲田大学,日本社会心理学会第48回大会,2007年9月23日.


磯部 梓(明治学院大学)・辻 竜平(明治学院大学),「対人関係を表す語彙の認知構造と身近さの関連:トライアド法を用いた検討」,早稲田大学,日本社会心理学会第48回大会,2007年9月23日.


Tsuji, Ryuhei (Meiji Gakuin University) and Harihara, Motoko (Japan Society for the Promotion of Science),"Effects of an Earthquake on Personal Networks: An Empirical Study of Niigata Chuetsu Earthquake," 関東学院大学,日本社会学会第80回大会,2007年11月18日.


辻 竜平(明治学院大学)・磯部 梓(明治学院大学),「友人関係の推移性と一般的信頼:トライアド法を用いた中学生データの分析」,成蹊大学,数理社会学会第45回大会,2008年3月16日.


Tsuji, Ryuhei (Meiji Gakuin University*) and Isobe, Azusa (Meiji Gakuin University*), "Closeness and Trust of Japanese Junior High School Students," Crowne Plaza Hotel Redondo Beach and Marina, Redondo Beach, CA, USA, 4th Joint Japan-North America Mathematical Sociology Conference (JAMS and ASA Mathematical Sociology Section), May 29 to June 1, 2008. (*: Affiliation is based on submission deadline 1/15/08)


辻 竜平(信州大学)・小舩達己((株)レヴェル),「直接的・間接的にアクセス可能なネットワークが一般的信頼と寛容性に及ぼす影響:ポジション・ジェネレータを用いて」,かごしま県民交流センター,日本社会心理学会第49回大会,2008年11月3日.


高木大資(東京大学)・辻 竜平(信州大学),「ソーシャル・キャピタルと犯罪抑制:割れ窓理論の観点から」,かごしま県民交流センター,日本社会心理学会第49回大会,2008年11月3日.


Tsuji, Ryuhei (Shinshu University) and Hasegawa, Koji (Shinshu University), "Social Capital of Volunteers of A Classical Music Festival: How Is It Related with Participation in Other Events and Activities?," Riva del Garda Fiere Congressi, Riva del Garda, Italy, Sunbelt 30th, July 3, 2010.


長谷川孝治(信州大学)・辻 竜平(信州大学),「文化的イベントとソーシャル・キャピタル及び精神的健康の関連」,広島大学,日本社会心理学会第51回大会,2010年9月17日.


辻 竜平(信州大学)・長谷川孝治(信州大学),「社会的活動への参加と社会関係資本の諸側面:ポジション・ジェネレータを用いた分析」,広島大学,日本社会心理学会第51回大会,2010年9月17日.

 

西 朋子(長野林業大学校)・辻 竜平(信州大学),「一般市民の公共性意識:多様性,相互承認,再帰性の視点から」,名古屋大学,日本社会学会第83回大会,2010年11月6日.

 

辻 竜平(信州大学)・村山研一(信州大学),「山村集落のネットワーク構造:並べ替え検定を用いた検討」,沖縄国際大学,数理社会学会第51回大会,2011年3月8日.

 

5 辞書・辞典・ハンドブック・教科書など


古畑和孝・岡隆(編),2002, 『社会心理学小辞典』増補版,有斐閣.
担当項目(「スノーボールテクニック」・「フォーカス・グループ・インタビュー」・「ネットワーク」・「ネットワーク分析」・「パネル研究」・「標準社会科学モデル」)


Lewis-Beck, M., Bryman, A., and Liao, T. F. (eds), 2003, The SAGE Encyclopedia of Social Science Research Methods, Sage Publications.
担当項目("Permutation Test": 813-815)


土場学・小林盾・佐藤嘉倫・数土直紀・三隅一人・渡辺勉(編),2004,『社会を<モデル>でとく!─数理社会学への招待』 勁草書房 .
担当項目(「ほんとうに世間は狭いのか」)


山田一成・北村英哉・結城雅樹(編著),2007,『よくわかる社会心理学』 ミネルヴァ書房.
担当項目(「組織のネットワーク構造と地位・役割の分化」・「3者閉包と構造的バランス」)


社会心理学会,2009,『社会心理学事典』 丸善.
担当項目(「行動計量の理論と数理的アプローチ」)

 

松原望・美添泰人・岩崎学・金明哲・竹村和久・林文・山岡和枝(編),2011,『統計応用の百科事典』 丸善.
担当項目(「社会的ネットワーク」,「スモールワールド」)


6 ソフトウェア


PermNet for Windows 95/NT: 並べ替え検定用ソフトウェア(Carrington, P. J., Scott, J., & Wasserman, S., 2005, Models and Methods in Social Network Analysis, Cambridge University Pressにも紹介されています.p.309にて.)


7 チュートリアルなど


辻 竜平,2005,「社会科学における大規模ネットワーク研究の展開と問題点」,日本ソフトウェア科学会第22回大会併設チュートリアル「ネットワークが創発する知能」,日本ソフトウェア科学会ネットワークが創発する知能研究会,2005年9月12日.


8 一般書・一般雑誌等の記事(業績にならないもの)


辻 竜平,2005,「スモールワールド~現実のネットワークをひもとく鍵:複雑ネットワークとは何か」『C Magazine』2005年9月号(17(9)):76-85.


辻 竜平,2005,「社会ネットワーク分析とソフトウェア」『心理学ワールド』31,28-29.


辻 竜平,2009,「中野俣から世界へ」,中野俣集落誌編集委員会編,『中越大震災復興記念 中野俣集落誌:災害を越えて伝えるふるさと』 (非売品):10-17.




現在進行中の科研費プロジェクト


  • 日本学術振興会科学研究費補助金基盤研究(B)

「地域間格差と個人間格差の調査研究:ソーシャルキャピタル論的アプローチ」(2010~2012年度) 研究代表者:辻 竜平 信州大学人文学部准教授 の研究代表者.

 

  • 日本学術振興会科学研究費補助金挑戦的萌芽研究

「文化資本と社会関係資本の関連性:クラシック音楽祭参加者への調査によるアプローチ」(2011~2013年度) 研究代表者:辻 竜平 信州大学人文学部准教授 の研究代表者.

 

過去に参加した科研費プロジェクト


  • 文部省科学研究費補助金総合研究(A)

「社会的ジレンマに関する数理社会学的研究」(1991~1992年度)研究代表者:海野道郎 東北大学文学部教授 に参加


  • 文部科学省科学研究費補助金基盤研究(B)(1)

「フォーマライゼーションによる社会学的伝統の継承と刷新」(1999~2001年度) 研究代表者:三隅一百 九州大学大学院比較社会文化研究院助教授 の研究協力者


  • 文部科学省科学研究費補助金奨励研究(A)(2002年度より若手研究(B)に移行)

「社会的位置と自己呈示」(2001~2002年度) 研究代表者:辻 竜平 東京大学大学院人文社会系研究科助手 の研究代表者


  • 文部科学省科学研究費補助金基盤研究(B)

「秩序問題への進化ゲーム理論的アプローチ」(2002~2004年度)研究代表者:大浦宏邦 帝京大学経済学部講師 の研究分担者


  • 文部科学省科学研究費補助金基盤研究(B)

「フォーマライゼーションによる社会学的伝統の展開と現代社会の解明」(2002~2004年度)研究代表者:三隅一百 九州大学大学院比較社会文化研究院助教授 の研究協力者


  • 文部科学省科学研究費補助金萌芽研究

「中越地震前後のパネル調査による災害時対人サポートネットワークの検討」(2005~2007年度) 研究代表者:辻 竜平 明治学院大学心理学部専任講師 の研究代表者


  • 文部科学省科学研究費補助金基盤研究(B)

「市民活動の活性化支援の調査研究:秩序問題的アプローチ」(2005~2007年度) 研究代表者:籠谷和弘 関東学院大学法学部助教授 の研究協力者

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卒論のためのリサーチミーティング

2011年08月18日

今年度より,社会学分野で私が卒論指導を担当するようになった学生とは,正規の授業時間外に,隔週で「リサーチミーティング」(以下RM)をやっています.ついつい4年生の前期は就活ばかりで卒論の準備ができない学生が多かったからです.気にはなってはいるんだけど,目先に就活があるので,何か卒論はやる気になれないんだなということが,何となくわかってきたから.そして,結局夏休みまでだらだらしてしまって,後期になって大慌てなんて人がたくさんいることがわかってきたから.

今年度,卒論生の分担決定を行うにあたって,私は条件を付けました.「私の希望者は,隔週のリサーチミーティングに出ること.」つまり,前期から隔週で君たちの世話焼きをしますよってわけです.これで多少とも,ぼくの担当希望者が減ってくれればいいな(笑)とか思っていたわけですが,その期待は外れてしまいました.しかし,後期になってから「おまえ,よくこんな時期まで放っておいたな.どうするつもりやねん」みたいな状態は回避できそうであり,底上げには役立っているようであります.先日も社会学分野では,卒論の中間発表会があったのですが,従来の8月時点と比べてみると,格段に全体として進んでいる感じがわかります.

とりあえず,現時点ではRM企画は成功,と思っています.このまま学生たちが順調に研究を進めていってくれることを望みますが,社会学の研究は,インタビューにせよ調査票調査にせよ,相手あってのことですから,なかなかそんなにうまくことが進むわけではないのです.これから先,「そいつは弱ったな.どうしようね.」という時が来るんだろうなと思っています.なので,自分は順調だから安心とか思わないで,先へ先へと進めていってほしいのですが,学生たちは夏休みモードのようでもあります.さて,盆も明けたし,そろそろチャージをかけてみるかなと.

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科研費「文化資本と社会関係資本の関連性:クラシック音楽祭参加者への調査によるアプローチ」採択について

2011年05月19日

このほど,研究代表者として申請していた科研費プロジェクト「文化資本と社会関係資本の関連性:クラシック音楽祭参加者への調査によるアプローチ」(挑戦的萌芽研究)が採択されました.2年前に県内の3つの音楽祭に関する調査を行いましたが,その続きに当たる研究です.

ブルデューの「文化資本論」を教育や階層研究と結びつける従来の研究とはちがって,「趣味」を共有する人たちのネットワークに注目し,そのネットワークが,別の社会的活動にどのように活かされていくのかという形で「社会関係資本論」と結びつけようというものです.そしてその「趣味」の部分にクラシック音楽,そしてその「ネットワーク」の起点として,クラシック音楽の音楽祭に集う人たち(オーディエンスやボランティアなど)を取り上げるというわけです.

科研費の種目は「挑戦的萌芽研究」で,まだ海のものとも山のものともつかぬものですが,プロジェクトメンバー(同僚の長谷川孝治先生や,音楽好きの共同研究者たち)とともによい研究になるようがんばります.
私自身は,昨年代表者として採択された別の科研費プロジェクト(基盤研究B)や,以前やっていた新潟県中越地震の研究をもとにした東日本大震災への実践的対応といった課題もあるので,今年・来年とどうなることやらですが,体力の限りがんばります.

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「地域の暮らしと人間関係に関する調査」実施中

2010年11月20日

社会学研究室准教授の辻竜平(代表)は、科学研究費補助金による研究のために集まった研究者とともに、「地域の暮らしと人間関係に関する調査」を、11月中旬から長野県内10市町村において実施中です。
このプロジェクトでは、人と人との「つながりの力」がどのくらい暮らしの向上に役立つものなのかを研究しようとしています。
調査票を受け取られた方は、是非ともご協力ください。締切日は、12月13日(月)となっております。
本研究に関するお問い合わせは辻竜平まで.
(リンク先に現れる単語2つを半角でタイプしてください.単語と単語の間は半角スペースを入れてください)

追記(12/28):皆様,本調査にご協力いただきまして,ありがとうございました

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「松本市のイベントの社会的影響に関する調査」実施中

2010年09月30日

社会学研究室准教授の辻竜平(代表)と、社会心理学研究室准教授の長谷川孝治による「松本市のイベントの社会的影響に関する調査」を9月下旬から実施中です。
このプロジェクトでは、松本市内のイベントについて住民へのアンケート調査などを行っています。
ご協力をお願いいたします。
なお、本調査は、ちょうど国勢調査と時期が重なっていますが、関係はありません。

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第30回サンベルト会議参加報告

2010年07月07日

6月末から7月初旬にかけて,イタリアのリヴァ・デル・ガルダ(Riva del Garda)で行われた,国際社会ネットワーク分析学会(INSNA)の第30回大会(通称,サンベルト会議)に発表・参加してきました.

本来,最も専門に近い領域の学会であるにもかかわらず,なかなか参加する機会に恵まれず,1999年以来11年ぶりの参加でした.十年も行かない間に,学会の規模がとても大きくなっていたのにまず驚きました.その理由の1つは,ちょうど十年ほど前に「ネットワーク科学」という分野が大きく注目されることになったことによるのだと思います.また,この学会は,2年間アメリカ,1年はヨーロッパという周期で行われているのですが,今回はヨーロッパの開催ということで,ヨーロッパ各国から多くの研究者・学生が集まっていたことにもよるのだと思われました.私がアメリカに留学していたころに,スイスやドイツから留学してきていた友人たちは,それぞれジュネーヴから6時間とかミュンヘンから4時間とかで現地まで運転してきたようでしたが,ヨーロッパの国境はとても近いのだなと再認識しました.

 

社会関係資本論にかかわる部会が3つありましたが,それ以外にも社会関係資本にかかわる発表はあちこちで見られました.いくつかの発表を聞いて思ったことは,どこの国でも同じような研究をやっているということでした.たとえば,われわれがやってきたような,一般的信頼とネットワークとの関係といったものです.多少の手法の違いや用いる尺度の違いなどはあっても,出ている結果はおおむね同じで,(予想に反して?)一般的信頼と多様性あるいは開放性の間には関係が見られないといった結果がヨーロッパにおいても見られるようだということでした.日本では,山岸俊男氏の『信頼の構造』を受けて,その後社会調査ではなかなか山岸氏の予想どおりの結果が出にくいことが発表されてきていますが,それはヨーロッパ社会においてもやはりそうだったのだとということで,私としては,むしろこれまでわれわれがやってきたことが日本だけではなく,ユニバーサルな傾向にありそうだということが言えそうかなということで,少しうれしくなりました.何人かに名刺を渡して,共同研究を模索することを考えないかと声をかけてきました.

 

私自身も昨年行ったサイトウ・キネン・フェスティバルにかかわるボランティアの人たちのデータをもとに,社会関係資本の部会で発表してきました.発表自体は,自分ではまずまずかなという感じでした.反応としては,ネットワーク・バッテリとしてポジション・ジェネレータを使うことが適切かといった質問が出ましたが,ネーム・ジェネレータでは,少数のネットワーク他者に回答が限られてしまうが,それはわれわれの意図とは違う,というような回答をしておきました.ただ,理論的にはやや粗っぽかったかもしれないという気持ちは若干あるので,もう少しブラッシュアップする必要があるかもしれません.セッションの後に,インドネシア人でスウェーデンに留学しているという珍しい経歴の女性の学生さんが,ネットワークを活用するということについてわれわれがやったようなやり方で測定することがおもしろいと言ってくれました.少しでも反応があってよかったと思います.

 

日本のネットワーク分析の現状について思うことは,スモールワールドやスケールフリーといった新興の分野の勢力はそれなりに分厚いと思うのですが,旧来の社会ネットワーク分析の流れをくむ研究とp*(ピースター)などの統計的な分析法の開発については,出遅れているように感じました.そもそも社会学の出身の社会ネットワーク分析研究者が非常に少ないということもあるのですが,私は近年は実証に向かっており,そういった問題から少し距離ができてしまっています.社会ネットワークの統計分析法の開発に関心を持ってくれる統計学に強い院生が数人出て来てくれると,日本の社会ネットワーク分析の将来はもっと明るくなるのになと思いました.そういう関心がある人が,私のところにポスドクにでも来てくれればすごくうれしいです(希望的観測…遠い目).

 

キーノート・スピーカーはユトレヒト大学のTom Snijdersでした.私の尊敬する研究者の1人です.彼は,マルチ・レベル分析の教科書を書いたりもしていますが,話の内容もやはりネットワーク分析と統計学をつなぐような話でした.私のこれまでの社会ネットワーク分析についての捉え方とは違う角度からの見方がいくつか出てきて,なるほどそういう捉え方もあるなぁと思いました.ある点からすれば,社会ネットワーク分析と統計学の考え方や対象はかなり違っているということを端的に示し,彼なりにその解法の方向性を示しました.これについては,また私の中で消化しながら,研究の中で活かしていきたいと思います.

 

非常に多くの発表があり,平行セッションも多く,また,疲れてしまって全部聞いていられないということもありましたが,実のところ,あまり「してやられた」という感じのする発表はありませんでした.規模が大きくなって,皆が同じようなことをそれぞれにやっているという感じが強くしました.なので,「まあ,そんな感じだよな」というものが多かった気がします.
その中では,Carter Buttsのexponentialな分布からのサンプリングの話などは創意工夫があっておもしろいと思いました.ただ,いつもの超高速トークかつかなり高度な技法を使っているために,完全に理解できたとは思えませんが,何とかエッセンスは得たかなと思っています.

 

最初にも書きましたが,世話になった先生や友人たちと十数年ぶりに再会しました.スイス人のE君とは11年ぶりだと思いますし,ドイツ人のCさんとは13年ぶりくらいかと思います.E君はだいぶん出世していてジュネーヴ大学の教員になっていて,何人かのお弟子さんとフィンランドやポルトガルの共同研究者の人たちと来ていました.夕食をともにしながら,ここ十年の互いの成功を喜び合い,これからはもう少し連絡を取り合っていこうなどと話をしました.Cさんとは,立ち話程度しかできませんでしたが,何とか無事にやっているようでした.
今回は,ヨーロッパでの大会ということもあり,米国からの参加者は比率としては少なく,西海岸の母校UC Irvineからは,3人の教員が来ているだけでした.(私が留学していた当時からの教員はJ先生1人だけでした.J先生とは2年前にも日米数理社会学合同会議で会って以来でした.)また,UCLAで私の博士論文の審査にも入ってもらったP先生も来ておられましたが,J先生もP先生もすでにリタイアされたとのことで,時代が移りゆくのを感じました.
今度は,アメリカで行われる会議にも参加したいところです.ただ,アメリカでは2月のことが多く,入試業務のためになかなか参加できません.うまく予定があいている時期だとよいのですが.

ともあれ,収穫の多い会議でした.また近いうちに是非参加したいです.

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「中学生の人間関係の認知・評価と一般的信頼」

2010年06月13日

久しぶりに『理論と方法』に論文が掲載されました.タイトルは「中学生の人間関係の認知・評価と一般的信頼」です.また,実際には,2008年初頭にはデータは揃っていたのですが,諸事情から執筆まで時間がかかってしまい,ようやく出せたという感じがします.調査に協力していただいた中学校にもこれで何とかフィードバックをすることができるようになったので,ほっとしています.

この論文は,中学生の一般的信頼が,中学生の持つさまざまな人間関係のうちどのような関係から生成されてきているのかを明らかにすることが課題でした.
なぜ中学生かですが,すでに成人の一般的信頼にかんする研究はいくつも行われており,だいたい一貫した傾向を語ることができるようになってきたので,今度はその発達段階の途中である中学生に焦点を当て,その年代の人々が成人と同様の傾向を持っているかを明らかにしたかったというわけです.
成人については,一般的信頼の形成のされ方が,都市部と村落部で異なることがわれわれの一連の研究でわかってきています(もっとも包括的なものとしては,稲垣(2009)があります).簡単に述べれば,都市部では,山岸(1998)が示したような「信頼の解き放ち理論」的な過程から形成され,村落部では,山岸が否定している「還元アプローチ」的な過程から形成されているというものです.
つまり,今回の中学生の研究でも,都市部と村落部で成人と同様の傾向が出るかどうかを検討しようとしたわけです.

ところが,結果は都市部の中学校でも村落部の中学校でも「還元アプローチ」的な過程から形成されていることを示唆する結果が出たのです.ここからわれわれは,成人して社会のさまざまなことがらが自分と直接・間接に関係があることが実感されてはじめて,「信頼の解き放ち理論」的な過程で一般的信頼が再構築されるのではないかと解釈しました.

ところで,この論文の売りは何かというと,上のような知見を得たということの他に,方法を工夫したことにあります.具体的には,「トライアド・テスト」と呼ばれる方法を用いた測定を行ったことです.この方法は,もともと心理学者のケリーが50年代に開発した方法なのですが,社会学ではあまり知られていないようです.私自身は,93年にUC Irvineに留学した直後の学部生向けの授業で,心理人類学者のKim Romneyからこの方法を学びました.いつかこれを使った仕事をしてみたいなと思っていたのですが,ようやく念願が叶いました.ただ,当時に使っていた「トライアド・テスト」用のプログラムは,MS DOS上で動くもので,そろそろ移植するなりなんなりして,現代のプラットフォームで簡単に扱えるような形にしないといけない時期に来ているように思います.

今回の論文は,データ収集から論文執筆までに時間がかかってしまいましたが,書き始めると,意外と簡単にさらっと書けてしまいました.書いていて楽しかったです.
今年は,「経験社会学基礎」という授業で,「トライアド・テスト」やコレスポンデンス分析について教えています.自分で書いた論文をもとに教えられるというのは,いろいろな意味で幸せなことです.最近は雑用に日々追われていますが,1年に1本くらいずつは査読論文をきちんと出していきたいものです.

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印刷ミスについて:
印刷ミスがあることに気づきました.校正の段階では問題なかったのですが,印刷所で問題が生じたようです.すみませんが,以下のように補足をお願いします.
p.36 図1 「スタックしたデータのイメージ」の中で,「×」となっている部分は全て「N×N」,「人分」となっているところは「M人分」としてください.

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所属学会等

2010年06月08日

所属学会

日本の学会:
数理社会学会
日本社会学会
日本社会心理学会
社会調査協会

海外の学会:
American Sociological Association
International Network for Social Network Analysis


学会委員等
数理社会学会 庶務理事(2009-2010年度)
数理社会学会 渉外理事(2007-2008年度)
数理社会学会 編集委員(2007-2008年度)
日本社会心理学会 編集委員(2007-2010年度)
社会調査協会『社会と調査』 編集委員(2010年-)
日本ソフトウェア科学会「ネットワークが創発する知能研究会」 プログラム委員(2005年-)


専門委員等
NPO法人横断型基幹科学技術研究団体連合 分野横断型科学技術アカデミック・ロードマップ(社会システムのシミュレーション・モデリング技術分野WG [WG2])委員,2008年

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「文化的イベントの心理・社会的影響に関する調査」:フィードバック実施中

2010年03月25日

3月20日(土)に、昨年秋に実施した「文化的イベントの心理・社会的影響に関する調査」(辻竜平(社会学・研究代表)、長谷川孝治(社会心理学))のフィードバックを送付しました。今回お送りしたのは、飯田市・木曽町・松本市・伊那市・駒ヶ根市・長野市の一般市民の方から無作為に選んで調査をお願いした方々のうち結果希望のあった方々、および、各選挙管理委員会です。内容としましては、速報的なものです。まだまだ分析は続けていきます。

なお、「アフィニス夏の音楽祭」、「木曽音楽祭」、「サイトウ・キネン・フェスティバル」のオーディエンス、ボランティアの方々へのフィードバックは、もう少し先になります。今しばらくお待ちください。

ご質問・取材申込みなどがありましたら、辻までメールでお尋ねください。応じられる範囲で対応します。

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『中野俣集落誌』が「第6回新潟出版文化賞」優秀賞を受賞.さらに...

2009年12月04日

去る5月1日,私が中越地震以来何度も調査に入っていた,旧栃尾市(現長岡市)の中野俣地区で出版された『中野俣集落誌』について紹介したが,この本が,このほど「第6回新潟出版文化賞」優秀賞を受賞することになったという報告を受けた.私としても,その末端を汚させていただいたので,とてもうれしい報告であった.

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この本の第1章では,地元の住民の方のほぼ全員が,何らかの形で震災の体験を語っている.第2章は「自然と農業」,第3章は「歴史と風俗」,第4章は「伝説・昔話・遊びうた・伝統芸能」,第5章は「災害と政(まつりごと)」,第6章は「地域と学校」,第7章は「後生へ語り継がれる地域の偉人」というような章立てになっている.全部で340ページにも上る大著である.
非売品であるというような(たぶん)マイナスの要因があるにもかかわらず,本書はこのような賞を受賞することとなった.全く素晴らしいという他はない.かの地の人たちが,このような大著をまとめ上げたこと自体が驚きであったが,再びたいへんうれしい報告を受けることができた.震災後,精力的に復旧・復興に取り組まれた住民や,中野俣小学校の先生方の様子をずっと追ってきた私にとっては,まさにあの復旧・復興に向けて注がれた情熱が,このような形で実ったのだと思われ,心にしみるものがある.

 

さらに,震災後ここ数年,中野俣小学校が取り組んできた,自然環境への取り組み(学校のそばの池に来るカワセミの観察などの取り組み)が「第44回全国野生生物保護実績発表大会」において発表され,環境大臣賞を受賞した.これもまた大きな喜びと大きな驚きである.中野俣の地は,あの悪夢のような中越地震による震災から立ち直っただけでなく,不死鳥のごとくよみがえり,羽ばたいた.

 

私の分析では,かの地において,児童数わずか20数名ながらも存続している中野俣小学校の存在はあまりにも大きい.あの小学校を幾度となく廃校の危機から守ろうとしてこられた住民の熱意と,小学校の先生方の知恵がうまくブレンドされてこそ,このようなダブル受賞につながったのだと思う.
農村においては,小学校の廃校が当たり前のように行われてきた.しかし,それを守り抜いてきた中野俣地区の人々は,大いに賞賛されるべき賞を授与された.しかも2つも.今,中野俣小学校の取り組みは全国の頂点に立った.単に僻地の農村の小学校が珍しい取り組みをしているということだけで済ませてはならない.農村をいかにして元気にするか.1つのモデルケースがここにはある.もちろん,小学校存続のコストは大きいだろう.しかし,かの地を訪問すれば,かの地の住民の幸福を作り出す場として,小学校が作用している様子をいくらでも見ることができる.これから,中野俣小学校を視察に訪れる人たちも増えるだろう.その中で,全国一律で押し寄せた廃校の波をまぬがれた小学校を見て,本当にうらやましいと率直に思う人も多いと思う.教育関係者,地域活性化に取り組む人など多くの人に対して,中野俣地区と中野俣小学校は,地域と教育との相互作用のあり方について考えるよい機会をきっと与えてくれるはずである.

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「幸福」ゼミへの思い

2009年10月06日

 後期に入り,「幸福」ゼミという共通教育の授業が始まりました.経済学部と繊維学部以外の学部から少しずつ人が集まり,十数名というちょうどよい大きさのゼミになりました.
 理科系の学部から学生が来てくれるだろうかと少し心配していましたが,予想をはるかに超えるといってよいほど理科系の学部から学生が集まってくれて,とてもうれしい驚きでした.
 「幸福」について考える学問というと,直感的には倫理学や哲学あたりを思い浮かべる人が多く,ちょっとおませな学生なら経済学あたりを思い浮かべるかもしれません.しかし,日本語のタイトルは「『幸福』」ゼミ」となっていますが,英語のタイトルは,"Seminar on Happiness: Sociological Perspective"となっており,「幸福」について社会学的に考えてみようというゼミです.

 ところで,社会学は,これまで,社会の中であまり「役立つ」ことを重視してきませんでした.どうすれば人々をより幸福にさせることができるのか,といった実践的な研究は,あまり進められてこなかったように思います.なぜそうなったかについて,私の師匠である関西学院大学の髙坂健次先生は,「ミドルマンのすすめ」という論文(2000)で,「ヴェーバーの呪縛」と「マルクスの呪縛」があったからではないかと述べておられます.おそらくそうであったのだろうと感じるところはあります.
 ところが,おそらく阪神・淡路大震災が状況を変えたのではなかったでしょうか.「われわれは,社会を見る方法を考えているだけでよいのか,社会に実践的に関わっていくためにはどうすればよいのか」という思いが,社会学者の中に芽生えたのではないかと思うのです.1999年の関西社会学会で「社会学は役に立つか?」というタイトルのミニ・シンポジウムが開かれ,さらに関西学院大学では,「『人類の幸福に資する社会調査』の研究」というタイトルで21世紀COEプログラムを進めていきました.その拠点リーダーを務めたのが,私の師匠だったのです.
 私自身は,このCOEプログラムと直接関わることはほとんどありませんでした.しかし,師匠の志のようなものは,何となく感じながら遠巻きにそれを眺めてきました.放送大学の教科書として『幸福の社会理論』が出版されたのは,昨年(2008年)のことでした.この本を読んで,大いに刺激を受けました.1つ1つの話は,これまでどこかで聞いたことのある話であると思いましたし,学部生向けの教科書なので,それほど深く踏み込んだ内容にはなっていないように思いますが,全体として伝わってくる精神というものを感じることができる本だと思いました.
 さらに,昨年信大に着任して間もなく,横断型基幹科学技術研究団体連合の「分野横断型科学技術アカデミック・ロードマップ」を策定する委員となり,社会学が役立つか,役立つためにはどのようなことが必要かと考える機会がありました.
 そんな折,共通教育科目(いわゆる教養)の授業担当の依頼がありました.上のアカデミック・ロードマップの委員の先生方は,ほとんどが工学系の方で,何度も合宿を重ねながら,かなり踏み込んだ議論をすることができました.自分の考え方を改めたり,より深化させる機会となりました.そこで,理科系の学生を巻き込んで,『幸福の社会理論』について考えていくことができたら,どんなアウトプットが出せるだろうかと思い,このようなテーマでゼミを持つことになったのです.これまで,理科系の学部学生たちとふれあうことはほとんどなかったので,彼らから学ぶこともあるだろうと期待しているところでもあります.このようなテーマでゼミを開くのは,おそらく今年が最初で最後です.今後このゼミがどのような展開をするのか楽しみです.

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「文化的イベントの心理・社会的影響に関する調査」実施中

2009年08月09日

社会学研究室准教授の辻竜平(代表)と、社会心理学研究室准教授の長谷川孝治による「文化的イベントの心理・社会的影響に関する調査」を8月初旬から実施中です。
このプロジェクトでは、長野県内の文化的イベントに関わるボランティア、オーディエンス、当該イベントのある市町の住民へのアンケート調査などを行っています。
調査の詳細については、こちらをご覧ください。
アンケート調査へのご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
本研究に関するお問い合わせは辻竜平まで.
(リンク先に現れる単語2つを半角でタイプしてください.単語と単語の間は半角スペースを入れてください)

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栃尾の一日

2009年06月21日

 去る5月31日(日).研究室の学生を4人ともなって,新潟県旧栃尾市(現長岡市)の中野俣小学校を訪問しました.そこで行われる中野俣3地区と中野俣小学校の合同の「地区運動会」を見学に行くためでした.この小学校には,中越地震のあと,何度も訪問し,お話を伺ってきました.昨年の10月にも学生を授業の一環で連れて行きましたが,今回は,名目上は,私の継続的な研究のためということになります.しかし,学生たちにも運動会などを見てもらうことがよいのではないかという思いから,学生と一緒に行きました.
 これに先だって,5月中旬に小学校に電話して日にちを確認するとともに,中野俣小学校に今年4月に赴任された新しいI校長先生にご挨拶したり準備したりしました.
 学生を研究室で募ったところ,2年生には残念ながら希望はなく,昨年10月に一緒に行った学生の中から3人(4年1人,3年2人)と新たに3年1人だけが希望しました.事前にほとんど何の説明もしなかったので,2年生が希望しなかったのは致し方ないところかもしれません.今回の訪問の目的の1つは,その4 年生が震災復興にかかわる卒論に取り組むこととなり,私が震災後4年間研究のために通ってきた中野俣小学校にその学生がこの1年間何度かお邪魔したいとお願いを申し上げに行くためでした.

 さて当日.朝5時に集合して一路栃尾へ.しかし道中は時折激しく雨が降り,またほぼずっと多少とも雨が降り続いていました.中止になったら校長先生や区長さんにお話を伺えばよいかなと思い,雨のことはあまり気にせずに行くことにしました.現地には開始の半時間ほど前に到着しました.新しい校長先生やそこにおられた区長さん,住民の方々,小学校の児童と挨拶し,校長室に通していただきました.
 校長先生からは,先に出版された『中野俣集落誌』の記事(大学サイト個人サイト)に掲載してもらった拙文について過分なお礼のお言葉をいただき,ついては来賓席でなどという厚遇を受けることになってしまい,これまでのどこかからたまにやってくる研究者の人という感じからはほど遠くなってしまい,何だか居心地の悪い感じを味わいました.席は3人の区長さんたちの隣で,公民館長さんに挟まれた場所でした.区長さんたちと久しぶりにお話ししましたが,次々と種目が替わっていくので,あまり落ち着いては話せませんでした.
 この運動会は,小学校の運動会(赤白対抗)と3地区対抗の運動会を兼ねていますが,今年は飛び入り参加可能な「ドーナツ食い競争」があり,私も学生たちとともに参加させてもらいました.スタート地点でバットを立てて軸にしてバットのグリップエンドに額を押し当てた状態で5回転してからドーナツめがけて走ります.自分としては5回転くらいでも大して問題なく走れていたつもりだったが,学生からは,よろよろだったと言われました(苦笑)
 お昼は区長さんたちと一緒に別室でいただき,学生たちも同席させてもらいました.破格の厚遇に恐縮しました.お昼の席では,区長さんたちから拙文に対してやはり過分なお礼の言葉をいただき,再び恐縮してしまいました.また,繁窪地区の区長さんからは,運動会が終わってから,同地区に昨年オープンした「いろり庵」にどうぞとのお誘いをいただきました.
 お昼をいただいてから杜々の森名水公園に行き,館長のSさんと学生たちを交えて少しお話しする時間をいただきました.Sさんの明るいお人柄に,学生たちも自然にお話しさせていただくことができました.
 そしてまた小学校に戻り,後半のリレーや綱引きといった種目を見ました.学生たちも,児童のみなさんとだんだん仲良くなってきたようで,自然と応援に熱くなっていました.
 運動会は,体育館の中で無事終了しました.われわれは,繁窪区長のYさんに促されて,すぐに繁窪地区の「いろり庵」を見学に行きました.復興事業の一つとして完成したこの小さな庵で,集落の人たちが集ったり,よそから来た人たちと話をしたりすることができる施設になっていました.繁窪地区の人たちが作った民芸品や加工食品なども販売展示されていました.繁窪地区もそして他の2地区もますます繁栄していくことを願うばかりです.
 その後,半蔵金地区に立ち寄りました.まだ倒壊して撤去されていない家屋を目の当たりにして,学生たちは,ここが震災の被災地だということをようやく感じ取った人も多かったようです.それから,道の駅に立ち寄って,銘々がおみやげなどを買いました.
 充実した一日を過ごしましたが,残念だったのは,やはり雨でした.夕方までにやんで日が差していたら,この時期に八方台越えで帰ると,田植えが終わって水が田んぼに張られたところに夕日が反射してとても美しい長岡市街地方面の平野全体を,峠のところで見渡すことができます.この景色は,田植えのあとしばらくの間しか見られませんので,それはまた来年以降にお預けです.
 その景色が見られないのが悔しいので,栗山沢から,旧守門村方面に抜けて,小出インターから帰りました.途中旧守門村の上条駅に立ち寄り,失われつつある日本の風景の1つである無人駅を見学してきました.学生たちは,信州の風景とはまた少し違う雰囲気を楽しんでいました.
 帰りの車内では,さすがに疲れたのか,ノリが夜のノリになってきて,「村山越え」など,きわどいネタが出るたびに大笑いしながら帰ってきました.
 この翌日は,社会学分野の2,3年生を中心とした青木村の見学でした.この栃尾のショートトリップに参加した学生たちは,比較の場を得たことで,よりいっそう優れたまなざしを持つようになってくれたことを期待したいと思います.

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社会ネットワークとインフルエンザの感染

2009年05月26日

 5月26日(火)の「経験社会学基礎Ⅳ」の授業の講義内容を予定変更し,また人文学部の学生全体にも公開することとして,「社会ネットワークとインフルエンザの感染」という題目で講義を行いました.新型インフルエンザの感染について,対策・政策の話ばかりがニュースで取り上げられ,実は,個体内でのウィルスの振る舞いや,社会ネットワークを介した感染について,その感染と拡散のメカニズムについてよく知られていないのではないかと思うことがあり,そういった科学的な側面についてもきちんと理解してもらうことが必要だろうと考えたからです.
 もちろん,私自身は疫学や生物学の専門家ではありませんので,特に個体内でのウィルスの振る舞いについては,嘘を教えないようにビデオを見せて対応するようにしました.そしてその上で,社会ネットワーク上での感染について,社会ネットワークの専門家として,感染に関わるモデルを最も基礎となるSIRモデルから始め,スモールワールド・ネットワーク上で感染が起こった場合のランダムネットワークの影響,スケールフリー・ネットワーク上で感染が起こった場合のハブの影響といったことについて論じ,結論として,スモールワールド・ネットワーク・モデルに基づいた予測と対策が有効であり,実際にその線に沿った政策が行われようとしていることを指摘しました.(この講義の内容は,基本的には,ダンカン・ワッツの『スモールワールド・ネットワーク』(辻・友知訳)に沿ったものでしたが,講義の準備をする中で,いろいろと気づいたり勉強したりしたこともありました.)
 さらに,やや蛇足ながら,規範論的な問題としては,自由をどこまで制限することが許されるかといった論点について紹介しました.

 さて,講義には,いつもは見なれない顔の人も数人いました.社会学やその関連分野のみならず他分野の学生さんたちも出席してくれていました.実は講義当日の朝,あるメールマガジンにURLが載っていたウェブサイトのインフルエンザ対策の記事を読んで,自然科学の素養のなさそうな評論家が全く箸にも棒にもかからないようなコメントを至極最もらしく論じているのを見て危惧を感じました.文科系の人々は往々にして何となく最もらしいが科学的に根拠のないことを信じてしまったりするものです.しかし,きちんとメカニズムを知った上で政策を講じないと,とんでもない愚かな政策(効果がなかったり,逆効果だったり)が通ってしまったりする危険性があります.少数ではあっても科学的な知識の必要性を感じてくれた学生がいたことは,本当に喜ばしいことでした.
 インフルエンザの感染については,もちろん,疫学や生物学といった自然科学系の諸分野が重要な科学的知見を与えてくれていると思いますが,それが社会ネットワークを通して伝わっていくということから考えると,社会ネットワークの研究者も,ささやかながらその一部に貢献できるのではないかと考えます.私の講義が少しでも役に立ちそうだと感じてもらえたなら,私にとっても大きな喜びです.

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『中野俣集落誌』の刊行

2009年05月01日

 中越地震の被災地に通い始めて5年近くなる.私の場合は,旧栃尾市(現長岡市)を主な調査地としていた.栃尾の中ではいくつかの集落でインタビューを継続的に行ってきた.中でも中野俣地区では,お祭り,地区運動会,等々,特に足繁く通い,地域の人たちにも知己を得た人が多くなり,そのうち訪問するたびに里帰りをするような気分になってきたものだった.
 中野俣地区は,中越地震の被災地の中でも,おそらく地域の活発さという点においてはきわめて高い方ではないかと感じていたが,その中野俣地区で,このほど『中越大震災復興記念 中野俣集落誌:災害を越えて伝えるふるさと』が刊行された(非売品).

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 見開きA3サイズで340ページほどもあるその内容は,まさに圧巻である.
 目次の前に,泉田新潟県知事,森長岡市長,平山前知事,編集委員長で公民館分館長の大島さんの刊行に寄せる文章がある.目次に続いて序章があり,私が寄稿した文章と,同地区の出身で「第1回新潟市ふるさとへ贈る手紙」の優秀賞受賞作品である今溝さんの文章(手紙)がある.
 続いて第1章は「中越大震災全戸の記録」である.何と「全戸」である(正確にはきちんと対応をとって確認したわけではないが,おそらくほぼ全戸であろう).中野俣地区は,それを構成する3つの集落,西中野俣,繁窪,新山(あらやま)の総称であるが,戸数は3集落で昨年9月現在188戸ある.これだけ多くの家々の全てから記録を集めることは,ものすごく大きな仕事であることは言うまでもない.各家から1人寄稿してもらった文章か,元県職員で環境行政にも関わって来られ当時から中野俣に縁のある森林インストラクターの本間さんが,何度か数人ずつに集会所などに集まってもらってインタビューをされた記録かのどちらかが載っているのである.本間さんとは何度か出会いお話をしたことがあるが,中野俣のことを本当にずっと思ってこられたという誠実さがにじみ出ている方である.何度も何度も繰り返しインタビューをするのは,本当にたいへんな仕事だったと思われる.敬意を表する以外にない.
 この本の特徴は,第1章の震災の記録で終わらないところである.第2章は「自然と農業」,第3章は「歴史と風俗」,第4章は「伝説・昔話・遊びうた・伝統芸能」となっており,3つの集落の生業である農業と,そのもとになる自然などの地域の地理,歴史や文化といったものが紹介されている.その内容は,昭和50年代にまとめられた『栃尾市史』からの借用もあるが,書き下ろされたものも多い.この地区が,昔からとても文化的に豊かな地域であったことがよくわかる内容である.これらの章は,ただ何となく存在しているわけではない.震災の記録も,地理・歴史・文化の記録も,そこに住む人々の現在のアイデンティティを形成しているもとになるものなのである.
 第5章は「災害と政(まつりごと)」,第6章は「地域と学校」である.ただし,第5章では,中越地震のことだけが中心となっているわけではない.この地域に古くから起こった地滑りなどの災害の記録から入り,中越地震へと続く災害史である.これは私の推測に過ぎないが,江戸時代の開村以来地滑りや大雪といった被害に悩まされ続けてきた中野俣の人々は,災害対策をとおして集落の絆を深めてきたのではないだろうか.また,そのような創意工夫は文化を高めることにもつながり,独特の遊びうた,盆踊り唄,伝統芸能などを生み出すことになったのだろう.学校とは,同地区にある中野俣小学校のことである.私は,この震災を研究し始めて強く思ったことは,地域の学校を維持することの重要性であった.旧栃尾市の中で被害が比較的大きかった地域を見ると,地震までに小学校が廃校となってしまっていた地域が軒並み復旧・復興に苦労しているのに対して,この中野俣地区について言えば,明らかに先行きの明るさが感じられるのである.(もっとも,一軒一軒を取ってみれば,たいへんなご苦労のあるおうちも多いとは思う.)一昨年,小学校で行われた地区運動会を見学しに行った.また,時折小学校を訪問した.そのときに,児童やPTAのお母さんたち,3集落の区長さんたち,ほか地域のたくさんの人たちが,何かにつけ小学校に集まり,そこを舞台として活動する姿を見て,小学校という存在の大きさを肌身で感じた.地震の後,廃校の危機にあった小学校を救うために,区長さんたちをはじめ,多くの方々が努力されたことがよくわかる.私が感じる以上に,当地の人々は小学校の存在の重要性を認識されているからだと思う.
 第7章は「後生へ語り継がれる地域の偉人」である.これは,江戸時代の人物から現代の人物に連なる人物史である.これもまた,偉人をとおして地域のアイデンティティを確認できる絶好の素材であると言えるだろう.また,自らの出身地にゆかりのある偉人は,当地の人々の励みになるだろう.そして,付録として中野俣地区の地図が載っている.まさに地域全体を鳥瞰しながら終わるのである.
 この本の内容は,地震と地理・歴史・文化を波のように行ったり来たりするような構成になっている.単なる編集のミスかというと,おそらくそうではない.それは,われわれが現代を感じる感じ方そのもであるように思うのである.この心地よい波動に乗りながら,地域の人々はそれぞれに地域の住民としてのアイデンティティを感じることができる構成になっているように思うのである.
 さて,この本が,今春まで中野俣小学校で校長を務められた富澤先生のアイディアと編集のたまものであったことは特記しておいてよいだろう.この本にはそんなことは書かれていないが,当地の人々は,そのことをよくわかっているはずである.小学校という場があったからこそ,原稿を読み,適宜校正を入れるといった作業を行う知的エイリアンである小学校長がいたからこそ,この偉業は成し遂げられたのである.
 最後になるが,私の率直な感想を述べておきたい.このような大著がなったことは,(私自身は何も貢献していないが)私のこれまでの研究生活において最も喜ばしいできごとの1つであったと思う.中越地震の被災地は,私の研究対象であったわけだが,研究対象は単なる「物」ではなかった.社会学の黎明期の大家であるデュルケムは,「社会をもののように扱え」と言ったというが,それは私にはできなかった.社会学者としては失格かもしれない.しかし社会学者とて人の子である.自分の研究は道半ばでも,自分の故郷のように思えるようになったかの地が,「復興記念」と題して出版物を刊行することができるようになったことは,大きな喜びである.研究を始めた当初は,このような本が出版されることになるとは思ってもみなかったが,しかしともかく復旧・復興の過程を見届けたいと思っていた.まだまだ終わっていないという見方もあろうが,この出版は大きな区切りの1つである.この本は1つの地区の出版物とは思えないほど重量があるものであるが,その重量以上に中野俣地区の復興の力を感じ,当地区の復興を素直に喜びたい.

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社会システムシミュレーションの社会学的課題に関する論文の紹介

2009年04月15日

 このほど,横断型基幹科学技術研究団体連合(通称,横幹連合)が発行した『分野横断型アカデミック・ロードマップ報告書』(経済産業省平成20年度技術戦略マップローリング委託事業)の一節に「社会モデリング・社会システムシミュレーションにかかわる社会学的課題」(このプロジェクトの概略はこちら)という論文を掲載してもらいました.
 本当は,このプロジェクトは,社会モデリングや社会システムシミュレーションの「明るい未来」を描くことが目論まれており,たぶん私もそのようなことを書くことを期待されていたはずなのですが――そして実際,最初はそのようなものを書こうと試みたのですが――,自分にはできなかったのでした.私自身が社会のシミュレーションをやったことのある身であり,学会の人たちからもそのように認識されているのかもしれないのですが,自虐的とでも言いますか,社会のシミュレーションの限界を指摘するような内容になってしまいました.最後に何とかかんとか希望的観測を挿入してネガティブすぎる印象を払拭しようとは試みましたが....

 社会のシミュレーションの問題点としては,主に4つの事柄について述べました.
1.社会科学の実証研究の精度が低いこと.したがって,その結果をもとにしてシミュレーション(数理モデルよりも複雑なもの)を構築しようとすると,予測の精度は相当に低くなるのではないかということ.
2.社会科学における「一般理論」は,過去と現在の社会のあり方から構築されたものであるが,未来の社会に適用できるかどうかは全くわからないということ.またこれと関連して,社会科学における「演繹理論」はおそらく不可能であること.
3.「よりよい社会を作るために」といった言葉が,社会シミュレーションを行う研究者から発せられることがあるが,何が「よい社会」なのかについては,まともに考えられたことはほとんどないのではないか.ここで,正義論を避けて通れないこと.
4.社会シミュレーションを行う工学者たちは,自らのシミュレーションによって社会制度を設計しようとするが,それはリバータリアンや自生的秩序論者からすれば否定されるだろうこと.

 このプロジェクトのために,半年の間に合宿1回を含めて数回会合がありました.このような否定的な論文を書きながらも,私自身は,情報系の工学者の研究者の方々と長時間にわたって議論をすることができ,とても有意義な時間が過ごせました.私は,2007年の数理社会学会で自ら企画したシンポジウムにおいて,情報系の工学者たちが構築する社会のシミュレーションについての違和感を吐露したことがありました.しかし,この会合で,工学者側の考え方についても知ることができたこと――工学者の間にもスタンスの取り方が違うことや,自然科学のモデルもそれほど精度が高くないことなど――,そして,それをもとにして,再度違和感について考えることができたことが大きな収穫でした.ここ数年,私自身は,情報系の人たちと仕事をすることの方が多くなっている気がしますが,今回のプロジェクトに参加させていただいて,これまで抱いてきた違和感をかなり払拭することができました(理解も諦めも含む)し,否定的な内容の論文ながらも,勉強したという爽快感を得ることができました.
 この論文の最後は,社会学者への提言で結んでいます.これまで他の社会科学の分野の研究者に比べて,社会学者は政策提言などにあまり積極的ではなかったのではないでしょうか.せいぜい,社会学を学べば社会の見方が変わりますよ,といったことしか言ってこなかったのではないでしょうか.しかし,信大に来て感じるのは,社会学者とはいえ(だからこそ?),地域社会への貢献を求められることです.このような傾向は,今後どんどん強くなっていくことが予想されます.社会の問題は複雑であり,単純な理論1つだけで解けるような問題はないのかもしれません.そんな中で,理論と理論をつなぎ合わせて構築する社会シミュレーションは,社会学者が提言を行っていく際に利用可能なツールなのかもしれません.社会学者のみなさん,社会シミュレーションはどうですか? ...というのは,あまりに敷居が高いでしょうか.シミュレーションの専門家とのコラボレーションなども積極的に進めるべきなのかもしれません.

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中越地震に関する論文

2008年11月25日

 2008年10月発行の『社会学研究』誌において,拙著(針原素子との共著)「新潟県中越地震におけるパーソナル・ネットワークと一般的信頼の変化:震災前後のパネル調査を用いて」が掲載されましたので,簡単にその背景と内容を紹介したいと思います.
 このタイトルの中には,「パネル調査」という,多くの人たちにとって聞き慣れない言葉が出てきます.これは,同じ調査対象者を対象とした時系列的な調査という意味です.つまり...,本論文においては,中越地震の起こる前と後とで同じ調査対象者に対して調査をお願いし,その結果をまとめたものという意味です.これだけでも,この論文で扱うデータが極めて得難く貴重なものであることが想像できるはずです.私の知る限り,そのような調査票調査のデータは存在しません.私自身が,2002年に被災地の1つとなる栃尾市(現在は,長岡市に合併)で郵送法による質問紙調査を行ったときには,その2年後に当地でよもやあれほどの大地震が起ころうとは予想していませんでした(当たり前のことですが).地震が起こったときに,「これはパネル調査をやるべきだろう.そして,人々が災害からの復旧・復興において相互にサポートを行った結果として,ネットワークや一般的信頼が変化するだろうから,その変化を記録することが重要だ」とすぐに直感しました.運良く翌年度から科学研究費補助金(科研費)を受けることができ,2005年の春から本格的に調査を開始しました.当時私は東京の大学に勤めており,授業や学内の仕事に追われていてなかなか思ったようには研究時間は取れませんでしたが,夏休みなどの長期休暇を中心に現地視察やインタビューを行ったり,市内の全85区の区長さんに毎年秋に質問紙調査を行ったりしながら,データを取りためていきました.その中心が,2006年の秋に行ったパネル調査でした.非常に多くのデータや資料を集めたので,まだまだたくさんやるべき分析があります(その一部は,現在,私が担当する「現代社会論演習」で学生たちが請け負って分析してくれています)が,この論文は,その中心と思われる部分をまとめたものです.
 さて,この論文の構造は,かなり複雑です.実証の課題としては,タイトルにあるように,ネットワークの変化と一般的信頼(他者一般に対する信頼のこと)の変化を追うことにありましたが,その理論的課題としては,社会関係資本論と山岸俊男の信頼の解き放ち理論のそれぞれの立場からネットワークと一般的信頼の共変関係の説明を試み,どちらの理論がよりうまく適用できるかを考えることでした.
 この論文では,理論と実証を,徹底して地道に泥臭く行うことを心がけました.一年間にわたって指導を受けたこともある山岸先生の理論に対しても徹底的に踏み込んで批判を行いました.データはそもそもパネル調査をすることを前提していなかったので,2度とも回答していただいたデータのみを採用したために,被害の特に大きかった地域のデータが少数で重回帰分析すら適用できないほどでしたが,少数の変数のみを統制した偏相関分析を繰り返し行うことによって,どんな統制のやり方をしても比較的安定して同じような結果が見られることを確認した結果を掲載しました.さらに,前提となる理論と分析結果をふまえて,かなりの分量を理論的考察に当てました.結果として長大で複雑な構造を持つ論文になってしまいましたが,単なる理論的論文でもなく,単なる実証論文でもない,近年私が目指している,両方ともやる論文が1つの形になったのではないかと思っています.また,あまり主張しすぎると怖い気もしますが,質的研究に偏った農村研究に対して,徹底して量的研究の手法で攻めるというやり方がどこまで通用するのかを試みたという意図もあります.もちろん現地視察やインタビューもしていますが,そこはあえて前面に出さずに,表面的には理論-量的研究の形にするというやり方が,どこまで支持されるのか,問うてみたかったのです.たくさんのご批判を受けて,また研究を進めていきたいと思います.
 私自身としては,この研究を通して,少数サンプルから有効な知見を引き出すための方法が,もっと開発されるべきだという感触を得ました.とりわけ震災といった限定的なサンプルしか採れない状況からある程度科学的に信憑性のある知見を引き出せるようにすることは,有効な政策的な提言を行っていくためにも重要ではないかと思いました.しかし,その思いに反して,階層線型モデルなど,最近はやりの分析法は,より多くのサンプル数を必要とするようになっています.米国ではGSSなど大規模調査のデータを分析するようなやり方が中心ですので,やむをえないと思いますが,このような小規模調査にも適用できるような手法も開発してほしいと感じました.
 最後に,この論文は,私が研究代表者を務めた2つの科研費プロジェクトの結果です.2005年からいただいた科研費プロジェクトから,ひとまず最初のまとまった成果を出すことができました.この研究を進めるに当たって,震災を体験されて,非常に困難な状態でいらっしゃっただろう方々から調査のご協力をいただけたことに心から感謝申し上げたいと思います.そもそもこの調査は,実践的意味としては,今後の対策につなげていくための基礎調査という意味合いが強く,当初よりあまり中越地震の被災者の方々にその成果を還元できるたぐいのものではないとお断りしていました.私は今秋より信州大学に赴任してきましたが,中越の方々からいただいた成果を,中山間地の多い長野県において少しでも多くの方々に伝え,役立てていただきたいと思っています.

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日本社会学会で発表してきました

2008年11月25日

11月23日(日)仙台日帰りで日本社会学会に参加してきました.11月2日(日)・3日(月)の日本社会心理学会に続いて今年最後の学会参加でした.
23日は学会初日で,朝一番の「研究法・調査法」部会のトップバッターとして発表しました.タイトルは,「直接的・間接的にアクセス可能な 他者と地位達成:ポジション・ジェネレータを用いて」でした.
発表の内容は,次のようなものでした.まず,パーソナル・ネットワーク研究でこれまで用いられてきたポジション・ジェネレータというネットワークの測度 を改良し,調査対象者の直接の知り合いだけでなく,間接的な知り合いについても測定できるように試みた点が新しい点です.また,そうして測定された直接 的・間接的にアクセス可能な他者について,その他者数から得られた指標値と,その他者の職業威信スコアから得られた2つの指標値という,計3つの指標を直 接関係・間接関係ごとに算出しました.これらを主成分分析にかけたところ,威信スコアをもとにした直接因子と間接因子,人数をもとにした人数因子に分かれ ました.そして,それらの3つの因子を独立変数,調査対象者本人の職業威信スコア(達成地位)を従属変数とし,いくつかの変数を統制して重回帰分析を行っ たところ,直接因子と間接因子が本人の達成地位に効果を持つことが分かりました.人数因子の効果はなかったのですが,しかし,この因子も電話帳法による知 人数推定値との相関はr=.42と高く,測定自体は悪くないようです.というような話でした.
朝一番なので,あまりオーディエンスもなく楽かなと予想していましたが,予想外に3人から質問が出て反応はよかったです.これからやってみるべき分析のヒントをもらうなど,充実したひとときを過ごせました.
今回は,社会学者としての再出発(前任校では,社会心理学の担当教員という微妙な立場でした)ということもあり,1日だけとはいえ精力的に発表を聞きま した.いくつか印象的な発表もありました.1つ1つは取り上げませんが,それでも記しておきたいことは,新しく学部の同僚となった文化情報論分野の祐成先 生のご発表を拝聴したことです.先生が行われてきた研究の一端をかいま見ることができ,最近出版された大著をこれから拝読する手がかりになりそうです.
しかし,日帰りはあまりにも忙しかったです.ろくろくご挨拶もしなかったり,来ているはずの人の顔を見ることさえなかったり,残念でした.また,ゆっく りとお話しできればと思いました.お話しできた方からは,新生活はどうですかというような質問を受けました.みなさん私のことを心配していただいていたよ うでうれしかったです.全てがよいとまで言いませんが,研究環境や学生の質にも恵まれていますと答えておきました.
日帰りで朝昼ともコンビニでしたので,帰りの電車の中で網焼き牛タン弁当を食べて少しだけ仙台を味わいました.密度の高い充実した一日となりました.

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社会調査実習 in 青木村

2008年11月25日

11月13日(木)~16日(日)まで,村山先生と私で担当している「社会調査実習」で,小県郡青木村に2,3年生を中心とした社会学分野の学生たちと 行ってきました.またこの実習は,文化情報論分野の祐成先生と中嶋先生,およびその学生たちと協力しながら行いました.詳細はこちらをご覧ください.

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現代社会論演習 in 新潟県旧栃尾市

2008年10月27日

10月26日(日)に、私が担当している「現代社会論演習」で、新潟県中越地震の被災地の1つである新潟県長岡市(旧栃尾市)に視察に行ってきました。
詳細は、こちらをご覧ください。

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