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おおぐし じゅんじ

大串 潤児

歴史学 教授

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こんなことしています(授業など教育) ゼミの活動

楽しいタカラヅカ 日本近現代史ゼミ2014夏合宿

大衆文化の表象と作法

京都国際マンガミュージアムでは閲覧室も見学させてもらいました。

  2014年9月1~3日、日本近現代史ゼミの夏合宿が行われました。行き先は、①京都国際マンガミュージアム、②宝塚:歌劇(花組 「エリザベート」観劇)、手塚治虫記念館、③有馬温泉、④神戸、というもりだくさん。   とっても、夏合宿は授業の一環、単なる「物見遊山」ではありません。今回の夏合宿における大事なテーマは、「大衆文化の表象と作法」、その方法を実際を考え、経験するというものです。学期末にくばったゼミ通信(『現代史通信』361号)から、卒論などでマンガ(広く大衆文化)を扱う、その問題意識を適記しておきます。主に最初に訪ねた京都国際マンガミュージアムについてのものです。 ①マンガは何を問題にしてきたのか、いわば「問題史的アプローチ」。 ②徹底して作家(作者)にこだわる方法(→手塚治虫記念館を観るために)。 ③大衆文化はどのような作法=約束事をもっている文化=メディアなのか、という「問い」。 いずれも、京都国際マンガミュージアムの展示構成をヒントにゼミのみんなに問いかけたものです。京都国際マンガミュージアムについては、最近、伊藤遊ほか『マンガミュージアムへ行こう』(岩波ジュニア新書2014年)という優れたガイドが出ています。

タカラヅカへ行こう!

花組のポーズで…。

  学生さんたちにも聞いたところ、ETVの「ニッポン戦後サブカルチャー史」でもとりあげていましたが、赤塚不二夫・バカボンのアヴァンギャルドさが秀逸でした(コマの約束を破ろう、「ナシ」「ナシ」「ナシ」…)。紙芝居は無理をいって「黄金バット」をさわりだけ演じてもらいました。   卒論でマンガを素材にする人も増えているのですが、歴史として扱う方法と問題意識について、まだまだ勉強不足を痛感しました。 ※有志はその後、竜安寺へ。ミナミの夜の〝粉もの〟も美味でした。   9月2日、どうしようもない「わくわく感」がみんなにただようなかで阪急にのって宝塚へ。沿線開発のことや、小林一三のことなどいくつか「勉強」しなくてはいけないのですけれども、何よりも「大劇場」に集う「大衆」のエネルギーと、作品にふれることが大事、との「理屈」(?)で、「エリザベート 愛と死の輪舞」を観劇。

たそがれの観劇とアニメの作法

手塚治虫記念館にて。

  宝塚歌劇は今年(2014年)、100周年を迎えます。そういえば、第一次世界大戦の勃発も100年前の夏のことでした。きっかけとなった事件は、セルビア青年によるオーストリア=ハンガリー帝国皇位継承者(F.フェルディナンド夫妻)暗殺ですが、観劇した「エリザベート」は、19世紀末に暗殺され、オーストリア=ハンガリー帝国の「たそがれ」を象徴した皇后・エリザベート(シシィ)の物語です。   宝塚観劇は初めてだった人も多かったです。はまった人がいたとかいなかったとか。19世紀末ウィーン、ハプスブルグ帝国皇后の物語。鏡のように寄り添う「トート」(「死」のメタファー)…。「死は逃げ場じゃない」…。   手塚治虫記念館ではアニメ制作にチャレンジした人も。手塚治虫、あるいは淀川長治、はては花森安治まで、あるいは北陸金沢の粟ヶ崎遊園まで、宝塚が発する光はどこまで、誰まで、人生の地域の文化を「夢色」(?)に染めたのでしょうね。近代文化史上の大問題です。 ※この夜は、有馬温泉でゆっくりと汗を流しました。「インディアン・ポーカー」も金沢以来の深夜の「文化」(?)

兵庫県立美術館 宝塚歌劇100年展

  9月3日、六甲をこえて神戸へ。予定にはなかったのですが、兵庫県立美術館で開催中の「宝塚歌劇100年展」を見学しました。   「夢の世界」はその通りですが、1920年代からのパリの影響(「快活なエロチィシズム」のレビュー)、そして戦時期の無残な姿。異物のように挟み込まれた戦時期の展示に、何を感じたのか、後期になって議論してみたいですね。  大階段のまえで、トップスターがつける〝羽〟をつけて大はしゃぎ。楽しい3日間でしたね。ある意味では、「どっぷり」タカラヅカにつかった夏合宿でした。 ※神戸元町中華街(南京街)でお昼ご飯。それぞれの家へ無事帰宅しました。 ※合宿係として面倒くさい事務仕事をしてくれた小野さん、かりん、ありがとうございました。また、運転手の大橋さん、浅田さんにも感謝します。

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