教員紹介

おおぐし じゅんじ

大串 潤児

日本史 准教授

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こんなことしています(研究)

2013年 夏・横浜

横浜めぐり

神奈川県立歴史博物館

 2013年7月30日から8月1日にかけて「全国歴史教育研究協議会」(全歴研)第54回・神奈川大会に出席してきました。     30日は打合せのみでしたので、久しぶりに横浜関内の博物館をめぐることが出来ました。   神奈川県立歴史博物館では、「源頼家 袖判 下文(そではんくだしぶみ)という珍しい(と私は思った-教科書などでは政所下文と源頼朝袖判下文は有名だけれど頼家のは初めて見た)史料を間近に見ることが出来ました。   近代展示については、展示スペースや展示室の関係で系統的にはなかなか理解しずらい展示となっています。神奈川の近現代史は、横浜開港や、京浜工業地帯への沖縄・東北からの「出稼ぎ」・就職、軍事基地問題など国際社会を地域から見ることができる格好の素材だと思うのですが…。   開港資料館では「関東大震災90周年」の企画展が開催されていました。

歴史的思考力

開港資料館。ペリー来航の際もあった楠。

  7月31日、私は全歴研「第3分科会(日本史) 生徒の思考力・判断力をどのように育てるか」に出席し、共同研究者としてのコメントを求められました。   「歴史的思考力」については周知のように2011年日本学術会議の提言「新しい高校地理・歴史教育の創造 グローバル化に対応した時空間認識の育成」があり、歴史学界でも関心を集めています。   用意された3本の報告は、それぞれ大変熱のこもったものでした。私なりにまとめてみると、(1)史料(資料)の活用から思考力・判断力・表現力をどのように育むか(柏陽高校・渡辺先生)、(2)市民性の育成と歴史的思考の関連(湘南台高校・黒崎先生)、(3)歴史上の「社会通念」に対する研究・教育現場からの「問いかけ」(宮城県佐沼高校・吉橋先生)、という3つの論点が提起されました。   私は、こうした3報告をうけて、戦後歴史教育の流れのなかで「歴史的思考力」という問題がどのように議論されてきたのか、という問題を、フロアーからの議論の補助線として提起してみました。

お昼は中華街・萬珍楼で食べました。

  会場からは私のコメントにも多くの議論が寄せられました。まだつめて考えていないこと、あいまいなままになっていることなど勉強になりました。   歴史的思考力の問題が、「問い」(あるいは現代社会についての、生徒なりの問題意識)を欠落させたまま、方法(スキル)として「学力化」していくことには危惧を覚えます。一方で、では「歴史における問い」とは何か、こうした観点からこれまでの実践報告を読み直す、あるいは子ども・生徒の問いかけに耳を澄ます真摯な作業が求められる、と思います。それは当然、大学でも一緒です。   昼食は中華街で採りました。賑わっていたようですが、最近の日中関係をいくぶんか反映しているのでしょうか?継続的にこの地域を見ていないので判断がつきません。   歴史的思考力を議論しているそばで、神奈川県教委は実教出版『高校日本史A』、『同 B』の学校採択について再考するよう支持したとの報道がありました。「歴史的思考力」そのものが政治の舞台に上げられてしまっているようです。  

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