教員紹介

おおぐし じゅんじ

大串 潤児

日本史 教授

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こんなことしています(授業など教育) ゼミの活動

現代社会運動史論の試み 信大史学会2012

オーストラリアは、日本にとって何か?

報告する羽東さん

  2012年12月1日(土)、恒例の信大史学会が開催されました。日中関係の現在と過去を考える後藤延子先生の講演をはじめ充実したプログラムでした。   ※ 「2012年 信大史学会」についてはリンク先をご覧下さい。  大学院生の報告は、いずれも2011年3月に信州大学を卒業した私の友人たちのものです。 ▽羽東祐樹(神戸大学大学院) 「初期日豪関係の諸相とオーストラリアの姿-19世紀後半から20世紀初頭の日豪交流と日本のイメージを中心としたオーストラリアにおける日本の位置づけ-」 ▽加藤泰輔(一橋大学大学院) 「三里塚闘争史論-運動の戦略・思想形成と支援者の意識を中心に-」   羽東さんの報告は、日-オーストラリアの貿易・経済関係の基礎に、「日本脅威論」と「友好」イメージの関係を論じたものでした。   かつて、私はオーストラリアに旅した際、クイーンズランド州ブリズベンの市ホールで、「対日脅威のイメージ」の展覧会を見たことがあります。第2次大戦時には、オーストラリアでは、「ここまでは日本軍いよって侵略されても仕方がない」としてブリズベンを通る「ライン」を設定していたそうです(「ブリズベン・ライン」以北を放棄する)。    オーストラリアは、第2次大戦後の日本占領にもニュージーランドともども参加し、東京裁判でも大きな役割を果たしています。日本とオーストラリア関係史はまだ良く知られているわけではありません。羽東の今後のお仕事によって、歴史学においても日豪関係史への興味が広がればと思いました。

現代社会運動史論のむずかしさ

報告する加藤さん

  加藤泰輔さんの報告は、成田空港反対闘争、「三里塚闘争」を通じて、現代社会運動が提起する問題(「公共性」や「地域住民闘争の社会的空間」、「住民」概念など)を再検討しようとする意欲的なものでした。   周知のように「三里塚闘争」は、水俣病闘争とともに、60年代後半期「住民運動」を代表する運動です(荒川章二『全集日本の歴史16豊かさへの渇望』小学館2009年)。戸村一作・前田俊彦・牧瀬菊江などや「朝日ジャーナル」をはじめ同時代から多くの文献や記録映画(小川伸介プロ)がありますが、運動の内部構造を「開拓と古村」としてとらえた福田克彦『三里塚アンドソイル』(平原社2001年)が代表的な作品です。近年では、1968年社会運動の世界的共時性という文脈での検討が始められようとしています(会場からそうした趣旨の質問が出ました)。   加藤さんの報告は、(1)「支援者」という存在に視点をおき、運動が作る「公共圏」、あるいは親密な社会空間の意義を明らかにする、(2)古村の青年たちの運動における軌跡を跡づけ、彼等の提示した思想を検討する、(3)「地球的課題の実検村」の提起した問題と、現在、成田で実践されている三里塚闘争の歴史を記憶する営みを考える、といった論点を持つものでした。   複雑な運動経過と現在にまで直結する運動の様々な「分岐」、それらをどのように加藤さんが一つの論理としてまとめていくのか、現代社会運動史を叙述することの難しさとやりがいを同時に示してくれた意欲的な報告であったと思います。   あなたなら、その時、どうしていましたか?・・・・初期TBSのドキュメンタリー番組「あなたは」にも通じる「問い」が、私の頭をめぐっていました。   近現代史のゼミでも、60年代から70年代のことをテーマにする学生・院生が多いですが(例えば水俣病と石牟礼道子論など)、良い刺激になったと思います。

じゃあ、また!

  懇親会では久しぶりの仲間が集いました。     2011年卒業のみんなは、日本史や世界史、時代や地域、分野を超えてとても仲がよい学年でした。卒業旅行もかねて、沖縄合宿にもたくさん参加してくれた学年です。それぞれ-よくわからないが、公務員が多い-の現場で、元気にやっているようです。西洋史関係者がすくなかったのは残念でしたが、また逢う機会もあるでしょう。   現在、歴史学講座のなかでも、学生たち同志の分野、地域、時代をこえた交流ができているでしょうか?   松本に集まってくれた方々、石津さん、壁さん、北山さん、関さん、丸山さん、宮尾さん、森田さん、その他のかたがたありがとうございました。では、また。

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