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おおぐし じゅんじ

大串 潤児

日本史 准教授

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こんなことしています(授業など教育) ゼミの活動

軍都とモダニズム 2012 日本近現代史ゼミ夏合宿・金沢(その2)

石川県立歴史博物館

モダニズム関連展示

  兼六園下の物産館でお土産を買い、14:00、石川県立歴史博物館を訪ねました。   石川県立歴史博物館は、かつて第9師団倉庫であった赤レンガ造りの建物を利用して展示が行われています。一時期、美術大学として利用されていたこともあり、内装は鉄筋に改築した棟もありますが、明治・大正期に作られた木造・レンガ積みの状況がよく保存されている建物です(重要文化財)。   石川県の歴史を総合的に展示する博物館ですが、今回は学芸員の本康宏史さんに「金沢モダニズム」を中心とする展示についてのご案内をお願いしました。   本康さんとは国立歴史民俗博物館共同研究以来の知り合いで、画期的な『軍都の慰霊空間』(吉川弘文館、2002)の著者でもいらっしゃいます。また「鞍信一コレクション」をはじめ金沢モダニズムの研究調査にもずっと関わってこられた方です。久しぶりに旧交を温めることができました。      城下町の構造、近代における「城下町都市」の社会構造の意味、そして市電開通による市街地の変貌、近郊開発・粟崎遊園」、そして15年戦争と金沢、短い時間でしたが充実した解説をして戴きました。映像として残された1931-32年の金沢もたいへん興味深いものでした。   夜は香林坊近くの「五郎八」で夕食です。石川県立歴史博物館の本康さんも参加して下さいました。金沢に住んでいるゼミ卒業生の西川舞さん、英米文学専攻卒の根岸希也子さんも合流してくれました。大学時代の思いでやら、大衆演劇・歌舞伎にはまった話しやら、宝塚(-粟崎遊園は「北陸のタカラヅカ」と呼ばれた)やジャニーズの話しまで、楽しくかつ「学問的」(?)にも有意義な時間を過ごすことができました。   板前さんのご厚意で美味しい「のどぐろ」を出して戴きました。 ※未明まで「インディアン・ポーカー」「ババ抜き」に興じた人もいたとか、いなかったとか・・・・。

野田山陸軍墓地

野田山陸軍墓地にあるロシア人墓地

  2012年9月3日、夏合宿も最後の日です。この日は野田山の陸軍墓地を見学しました。ついでに前田家墓所に行き前田利家ほかの墓参もして来ました。   一般兵士の墓柱と、将校クラスの墓石、合葬墓の大きさの違いが目をひきます。一般兵士の墓柱列のなかには「長野県南安曇郡南穂高村」「筑摩郡和田村」出身といった文字も見えます。   日露戦争に際して金沢に送られ来たロシア人捕虜もいました。野田山にはこうした捕虜のうち金沢で亡くなったロシア人の墓地もあります。多くはロシア正教徒でしょうか、墓石には「+」が刻まれていますが、1ヶのみ「☾」(三日月)マークが掘られていました。イスラム教徒だったのでしょうか?   

尹奉吉の碑

尹奉吉「暗葬墓」

  野田山の陸軍墓地の直下には韓国人独立運動家で、1932年の上海で陸軍高官・政府関係者に爆弾を投げつける「義挙」を行った尹奉吉の「暗葬墓」があります。金沢第9師団は上海事件に出動、かなりの規模の犠牲を出しますが、事変後上海の警備管轄は第9師団が担いました。そのため、「義挙」を行った尹奉吉は金沢で処刑され、陸軍墓地への通路の下にひっそりと「埋葬」されたのです。紀念碑もあわせて見学しました。   ここ2、3日の状況から天気が心配です。野田山をあとにして北陸自動車道、世界遺産の白川郷をよこめに見て「中部縦貫道路」を飛騨高山に抜けます。実は昨年の合宿でも飛騨高山に来たのですが、去年とはまた別の美味しい「高山ラーメン」を食べ、安房峠を越え、夕方、松本に帰って来ました。   皆さんお疲れ様です!

ヒキガエルからきのこへ

内灘の海・2012・夏

  金沢といえば思い出す事があります。金沢大学にいらっしゃった故・林宥一さんは、大学生協でとてもユニークな書評欄を担当していました(「アカンサスRevew」)。林さんが亡くなった後集められた作品集『銀輪』をひもときながら、ふと目にとまった1冊の本があります。奥野良之助『金沢城のヒキガエル』(どうぶつ社、1996、現在平凡社ライブラリー)。どしゃぶりの雨が続いたのでカエルはいたんでしょうが、金沢城を散歩する余裕はありませんでした。 『金沢城のヒキガエル』のテーマは「競争なき社会に生きる」。1つの集団としては「消滅」してしまった金沢城のヒキガエルたちの生活史を克明に描いたものです。近年、歴史学では「生存」というキイワードが全面に出てきつつありますが、「生存」は「競争」と結びついて「生存競争」「適者生存」などと日常用語のなかで使われる場合もあります。「生存」と「競争」が結びつかない社会とは何か、ふと考えたことです。      そして私はとえば、「きのこ」への関心を高めつつあります。例えば写真評論家・飯沢耕太郎の『キノコのちから』(マガジンハウス2011)。この本は2011年3月11日の福島第1原発事故・東日本大震災後に書かれていますが、90年代以降「社会がきつくなってきた」ことをふまえ、「きのこ的生き方のすすめ」を「ゆるい」「柔らかい」「はみ出す」「動きまわる」「遊戯的でホット」「多元的」「魔術的」(マジカル?)「偶発的」「つながる」「分解と還元」・・・・と表現しています。新しい「生き方の論理学」は、こうした場所からもスタートしているのかもしれません。 ※1日おつきあいくださった石川県立歴史博物館の本康宏史さん、コンパに合流してくれた卒業生の西川舞さん、根岸希也子さん、また日本のどこかでお会いしましょう。 ※運転手のタカトシさんお疲れ様でした。O塚くん、インターンシップ頑張って下さい。また、合宿係の岩渕さん、お疲れ様でした。

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