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おおぐし じゅんじ

大串 潤児

歴史学 教授

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こんなことしています(授業など教育) ゼミの活動

北からみた地域史 合同ゼミ2012

北からみた地域史-その方法

  2012年1月27日,恒例になっています「合同ゼミナール」を開催しました。これは,数年前から実践しているゼミの1つのかたちで,日本近現代史ゼミが企画・中心となり,世界史分野・地域文化史分野,つまりヨーロッパ史・アジア史,日本前近代史の学生に声をかけ,異なった地域・時代・分野のなかまで1つのテーマについて議論するものです。2010年は「民族とナショナリズム」,2009年は「海からみた歴史学」といったテーマを設定してきましたが,2011年度後期のテーマは「北からみた地域史 その方法」としました。   ヨーロッパ史からは「オーストリア=ハンガリー帝国史」について,日本近現代史からは近代初期の日露関係史についての報告がありました。これは,たまたま日露関係史関心がある学生がいたことによって設定されたテーマでしたが,平泉の世界遺産登録や何よりも東日本大震災という状況のなかで,東北-北海道地域史を考えるよい機会となりました。  近代社会によって編成された地域(国民国家的地域編成)とは異なる生活圏に視座をおくという方法から一歩進め,自然環境も含めた「北」とは何か,というところまでは議論が出来ませんでした。また,北方圏少数民族の歴史,また「北」という視点での交易をめぐる世界史など積み残した論点は多かったですけれども,それぞれ参加者は自分の課題を持ち帰ったようです。

  日本近現代史ゼミに参加している韓国からの留学生のみならず,日本古代史や中世史の学生も参加して下さり,とても活発な討論が行われました。日・韓国の前近代史をふくんだ「北東アジア史」は,ここ数年,ゼミで議論してきたことですが(最近では「東ユーラシア」という視点での議論が刺激的です-上田信『東ユーラシアの生態環境史』山川出版社〈世界史リブレット83〉2006,桃木至朗編『海域アジア史研究入門』岩波書店2008),近現代史地域社会研究もこうした視点をどのように受け止めていくか,工夫が必要です。   ちなみに,その後の懇親会も盛り上がりました。機会があれば,また合同ゼミを企画したいと思います。 ※会議室を借用させて戴きました。総務係の皆様に御礼申し上げます。

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