教員紹介

おおぐし じゅんじ

大串 潤児

歴史学 教授

教員 BLOG

一覧を見る
こんなことしています(研究)

歴史教育から「社会科」へ

 2011年7月17日、お世話になっている君島和彦先生のソウル大学退職記念のパーティーが開催されました。東京学芸大学日本近現代史ゼミの卒業生や、ソウル大学・ソウル市立大学関係者が大勢集まり、たいへんにぎやかな会となりました。  東京学芸大学日本近現代史ゼミの卒業生は2003年から研究会を続けてきました。一つの成果が2011年3月、東京堂出版から君島和彦編『歴史教育から「社会科」』として刊行されました。おおまかな目次は次の通りです。  第Ⅰ部 「現場」の論理―さまざまな場所からの提起  第Ⅱ部 「社会教育」のなかの歴史学習  第Ⅲ部 戦争史・現代史教育実践の試み  第Ⅳ部 国際社会のなかの歴史教育―韓国からの視座

2010年3月 早春の景福宮(ゼミ合宿にて)

 当日は、「ソウルと景福宮」と題した君島先生の記念講義も行われました。久し振りに学芸大学での講義を聞きました。  景福宮は「風水の都」でもあるソウルの中心部にある李朝の王宮、「壬辰倭乱」(豊臣秀吉の朝鮮侵略)による被害、明成皇后暗殺事件の舞台(金文子『朝鮮王妃殺害と日本人』高文研)、「韓国併合」後の破壊、植民地統治を「誇示」するために開催された博覧会の会場、と歴史のなかでさまざまな姿を見せ、そのどれもが日韓関係史の重要な問題を提起してくれます。  景福宮という一つの場所にも、このように「ふりつもる歴史」があることが示されました。現在、景福宮は、植民地期の破壊からの再建が行われつつあります。

パーティー記念品のお煎餅

 東京学芸大学とソウル市立大学との交流は、2007年『【日韓歴史共通教材】日韓交流の歴史』(明石書店/図書出版ヘアン)という成果を残しました。君島先生はじめ、関係者の息の長い交流のたまものです。  現在の信州大学・日本近現代史ゼミでは本格的に朝鮮近現代史を勉強することは難しいですが、光云大学校など韓国との交流や、松本強制労働調査団・松代大本営の保存をすすめる会・「信州・渡来人倶楽部」など県内市民との交流・協力を通じて日韓関係史・在日韓国・朝鮮人史についても理解を深めていきたいと思います。  2011年8月20日現在、日本近現代史ゼミの学生が1人、ソウルでハングルを勉強しています。

トップページ 教員紹介 大串 潤児 ブログ 歴史教育から「社会科」へ

ページの先頭へもどる