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おおぐし じゅんじ

大串 潤児

歴史学 教授

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こんなことしています(研究)

地方都市モダニズムと戦争-08・晩秋・金沢

地方都市モダニズムと戦争-20世紀における戦争Ⅱ

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秋の金沢市中央公園。旧制四高校舎をのぞむ。

2008年11月15~17日、国立歴史民俗博物館「20世紀における戦争Ⅱ」の共同研究で金沢に行きました。今回は、「地方都市モダニズムと戦争」として金沢・福井を素材に、1920~30年代の大衆文化と戦争をめぐって研究会を行うことが目的でした。

研究会の前日(15日)は集合したメンバーで石川県護国神社を訪ね、2000年に除幕された「大東亜聖戦大碑」を見学しました。

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石川県護国神社。

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「大東亜聖戦大碑」。

「軍都」・金沢の護国神社やその都市空間配置論についてはなによりも本康宏史さんの『軍都の慰霊空間』(吉川弘文館)が必読の文献です。

兼六園そばの戦争関連史跡(第九師団司令部庁舎・金沢偕行社など)を見学・散策した後、2つのグループに別れ、私たちは泉鏡花文学記念館に向かい ました。でも、実際についてみると隣接している金沢蓄音器舘で、蓄音機の実演をしていることがわかり、急きょ予定を変更。なかなか聞くことのできない蓄音 器の音色とその歴史を勉強することにしました。館の方の巧みな解説とパフォーマンスにより、蓄音器のしくみと歴史、音色の差異などがよくわかるとてもよい 機会となりました。
この蓄音器舘は、金沢では2つの著名なSP版レコードと蓄音器のコレクションの1つである八百市屋浩志(金沢市内でレコード店を営む)コレクションを基 につくられました。瀟洒な雰囲気のなかにも音楽文化の歴史がわかるよい場所です。もう1つのコレクションは研究会での話題の1つでもある鞍信一さんのコレ クションです。

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ラッパ付き蓄音器のまえでメンバーと。

11月16日は、あいにくの雨でした。10:00から石川県立歴史博物館にて「地方都市モダニズムと戦争」研究会を開催しました。本康さんから 「『モダン』金沢という時代」と題して金沢大衆文化についての概説と論点の提示が、またメンバーの一人・大岡聡さんから「1930年代の地方都市における 百貨店とモダニズム」と題した福井市の百貨店・だるま屋と「だるま屋少女歌劇団」についての報告がありました。私も、鞍信一さん編集・発行にかかる『モダ ン金澤』を素材にした簡単なコメントを行いました。

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研究会のひとこま。

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金沢のアナキスト「清水庄吉コレクション」を調査。

懇親会までの時間は、晩秋の金沢市内の散策で過ごしました。

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戦前からの喫茶店「芝生」、四高生のたまり場。

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日暮れの尾山神社。


懇親会では、うどんすきに舌鼓をうちながら、本康さんと楽しい時間を過ごすことができました。

11月17日、金沢にも寒さが訪れ始めたようです。午前中は少し仕事をして、午後、直江津をへて松本に戻りました。宿題も多くなりましたが、意義ある研究会でした。

※今年の金沢紀行については以下もご覧ください。
①→http://fan.shinshu-u.ac.jp/kyouin/ogushi/archives/post_43.html
②→http://fan.shinshu-u.ac.jp/kyouin/ogushi/archives/post_42.html
③ゼミ合宿→http://fan.shinshu-u.ac.jp/kyouin/ogushi/archives/post_48.html

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